アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」第13話のあらすじと感想をまとめています。
感想には独断と偏見と原作をもとにした解説と、軽いネタバレが含まれていることをご了承ください。
第12話「魔眼を持つ女」おさらい
- 「デッドエンド」は港町に着くがスペルド族のミリス大陸への渡航料金が超高額で驚く
- ヒトガミの助言で食べ物を買って路地裏へ行くと、キシリカ・キシリスに出会う
- 食べ物のお礼にキシリカから魔眼(予見眼)をもらい、魔力の制御で一週間引きこもる
- 魔眼を使えるようになったルーデウスはエリスに圧勝するがルイジェルドに惨敗する
- 杖を売って渡航料金を捻出しようとするがルイジェルドの譲歩で密航も可能になった
第13話「すれ違い」感想と解説

第13話「すれ違い」あらすじ
行方知れずのルーデウスたちを探していたロキシー。
彼の父・パウロの知り合いであるエリナリーゼ、タルハンドと共にウェンポートにやってきたロキシーは、手がかりを探す中で、悪名高いデッドエンドの噂を耳にする。
一方、ルーデウスたちは密輸組織のガルスと取引し、アジトにいる奴隷を解放することを条件に念願のミリス大陸へ渡るのだが・・・。
引用元:dアニメストア
アニメ「無職転生」第13話はライトノベル4巻に収められています。

ウェンポートで情報収集するロキシー一行
情報収集のため、魔大陸ウェンポートの冒険者ギルドに入るロキシーたち。

エリナリーゼはたくましい冒険者たちに声をかけ、ロキシーはもうすぐCランクになるというパーティーからスカウトされる。
ロキシーは昔組んでいた冒険者パーティーのメンバーのことを思い出す。

宿でロキシーがタルハンドとエリナリーゼに昔のパウロのことを聞くと、二人は口をそろえて「クズじゃな」「クズですわね」と答える。
「あの男の話はしたくありませんの」というエリナリーゼのきびしい言葉に、「一体なにをやったんでしょうか、パウロさん」とロキシーは心配する。
エリナリーゼが「男の汗のにおい、いいですわ~」と言ったあとタルハンドに同意を求めているのは、タルハンドが男色家(ゲイ)だと知っているからです。
タルハンドは「そこまで節操なしじゃと、逆に清々しいわい」と答えていますが、意訳すると「男の汗のにおいは悪くないが、いまはそれどころじゃないじゃろう」といったところでしょうか。
ロキシーが思い出していたパーティーのメンバーは、ロキシーが魔大陸リカリスで冒険者になったばかりの14歳ごろ(約30年前)に組んでいた「リカリス愚連隊」です。
ロキシーをいじっている豚顔の魔族はブレイズ、馬顔の魔族はノコパラ、人族はデールでリーダーです。



「リカリス愚連隊」はBランクのパーティーで、ロキシーは3年ほど一緒に活動していましたが、依頼中の事故でデールが死亡したことでパーティーは解散しました。
ノコパラとブレイズは第1クールの第10話、第11話に登場しています。
エリナリーゼとタルハンドは、「黒狼の牙」時代の女性関係のだらしなさやパーティー解散時の不義理のことで、パウロを「クズ」呼ばわりしているようです。
しかしロキシーの知るパウロは、魔族である自分をルーデウスの家庭教師として偏見なく迎え入れ、2年間も家族のように温かく接してくれた良き父親、良き夫という印象なので、自分が知らないパウロの過去が気になるのかもしれません。

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冒険者パーティー「デッドエンド」のうわさ
ロキシーたちはウェンポートでそれぞれ情報収集を続ける。
夜、宿に戻った3人は集めた情報をもとに話し合いを行う。
ロキシーは実在するスペルド族の悪魔、デッドエンドの恐ろしさを訴えるが、エリナリーゼはまじめに取り合わず、「いい男らしいからベッドで聞いてきましょうか」と言い出す。

タルハンドは「デッドエンド」が「赤毛の剣士、狂犬のエリス」「長身で槍を持つ男、番犬のルイジェルド」「チビの魔術師、飼い主のルージェルド」の3人組の冒険者パーティーで、「飼い主」が一番悪いやつだと聞いたと言う。
ロキシーたちは「デッドエンド」を名乗るパーティーと関わらないようにして、パウロの家族のリーリャとアイシャを優先して捜索することを決める。

魔大陸出身のロキシーは小さいころから両親にスペルド族の恐怖を叩き込まれてきましたが、ミリス大陸出身のエリナリーゼやタルハンドにはその恐ろしさがいまいち理解できないようです。
しかしロキシーの話を聞き流していたエリナリーゼも、ルイジェルドの「他者を恐れさせる呪い」を目の当たりにすれば、ベッドへ誘う勇気もさすがになくなるのではないでしょうか。
ロキシーは魔大陸で知らない者はいないスペルド族の悪魔デッドエンドと同じ名前の冒険者パーティーが、魔力災害後から魔大陸で急に有名になったことを疑問に思います。
しかしロキシーは「エリス」とは会っていませんし、「ルイジェルド」の異名がデッドエンドだとは知りませんし、「ルージェルド」がルーデウスのことだとは気づきませんでした。
ロキシーたちはリーリャとアイシャの捜索に力を入れることになりましたが、残念ながら二人は魔大陸には転移させられていません(のちにルーデウスが中央大陸のある国で救い出します)。
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錯乱して宿を吹き飛ばすロキシー
翌朝、浜辺を歩きながらルーデウスのことを思い出すロキシー。
ロキシーは剣術の訓練をしている赤毛の剣士と長身の槍使いに気づき、あれがうわさの「デッドエンド」かと岩陰からのぞき見る。
二人がとても強いことに気づき、ロキシーは本物のスペルド族だと確信して震えあがる。

ルイジェルドに気づかれたロキシーは、スペルド族に目をつけられたと思い、港町の路地裏を怯えた表情で走る。
ロキシーが必死の思いで宿に逃げ帰ると、エリナリーゼは男たちを連れ込んで乱交プレイの真っ最中だった。

錯乱したロキシーはアイシクルブレイクを連続でぶっ放して、宿の壁もろとも男たちを外に放り出す。
ロキシーがブエナ村のグレイラット家を出てから、もう6年が経っていたんですね(ルーデウスは11歳、ロキシーは45歳になりました)。
ロキシーは心底からスペルド族に恐怖を抱いていることがわかりましたが、丸坊主で額の目を鉢金で隠していてあれほど怯えるのですから、緑色の頭髪を伸ばして額の赤い目を出したルイジェルドを見たら失禁して卒倒してしまうかもしれません。

水王級魔術師でA級冒険者でも、幼児期から刷り込まれた恐怖は、大人になっても拭いきれないものなんでしょうね。
エリナリーゼは「定期的に性交しないと死ぬ呪い」を持っているので仕方ない部分はありますが、しかし同時に5人も連れ込んで乱交プレイまでしなくてもよさそうですが(6Pって「とろッピ~」じゃないですか)。
ところでロキシーが魔術で吹き飛ばした宿ですが、初日に泊まっていた宿は広くて豪華でしたが、二日目はあのせまくて安そうな宿に変えたんでしょうかね。
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ウェンポートを離れるロキシー一行
巨大トカゲの背中に乗って、ウェンポートを離れるロキシーたち。

ロキシーは宿の修理代がかかってしまったのはエリナリーゼのせいだととがめる。
エリナリーゼは情報収集中に路地裏で熱烈なお誘いを受けたんだから仕方ないと悪びれもしない。
巨大トカゲの手綱を握っているタルハンドが、二人の話を背中で聞きながらため息をつく。

ロキシーは理想の恋愛を語り、エリナリーゼに「お子ちゃまですわね」と笑われる。
ロキシーたちは魔大陸を北上して、次の町を目指す。
宿の修理費がかかってしまったのは、部屋の中で中級水魔術をぶっ放したロキシーのせいですよね。
エリナリーゼのせいにしてはいけませんが、エリナリーゼがまったく悪くないかといえば、そうでもありませんが。
宿の破壊騒動のこともあり、ロキシーたちは満足に情報収集できないまま、予定より早くウェンポートを出発することになったようです。
ヒトガミはロキシーとルーデウスを再会させないように妨害をしていましたが、ロキシーたちが次の町を目指したことでヒトガミの思惑通りになってしまいました。
しかしロキシーは5年後、エリナリーゼが笑っていたロキシーの理想の出会い方をドラマチックに果たすことになります。
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ルイジェルドの密航とエリスの船酔い
ルーデウスとエリスは、ウェンポートから小船で運ばれていくルイジェルドを見つめる。
ルイジェルドはガルス・クリーナーの手配で密航できたが、「ザントポートでとある密輸品を解放すること」という条件を出されていた。

ルーデウスとエリスは正規の船でミリス大陸ザントポートへ渡る。
初めての船旅ではしゃぐエリスだったが、すぐに船酔いでダウンする。
ルーデウスは船旅に関して都合のよい妄想をするが、非情な現実に引き戻されてしまう。
船酔いが楽になるように、エリスの頭にヒーリングしてやるルーデウス。
しかしエリスのあられもない姿が目に入り、ルーデウスは性的に我慢できなくなってしまう。

魔大陸ウェンポートからミリス大陸ザントポートまでは一週間ほどの船旅です。
エリスが船酔いでダウンしたあと船員からヒーリングが効くと聞いてから、ルーデウスはエリスにつきっきりでした。
船酔いは自律神経の失調で起こるので、頭にヒーリングをかければ一時的に気持ち悪さが消えますが、あくまでも一時的なものなので、ルーデウスはずっとヒーリングをかけ続けています。
ヒーリングをかける度に目の前にあられもない姿のエリス、しかし弱っている女の子にイタズラするほど外道でもなく、若い男の子にはさぞやつらい一週間だったことでしょう(まあ中身はおっさんですが)。

ガルス・クリーナーは密輸業者でしたが、ルイジェルドの密航を手伝う条件が「ザントポートでとある密輸品を解放すること」でした。
ルイジェルドの密航料金は緑鉱銭5枚(約5千円)で、スペルド族の正規の渡航料金の緑鉱銭200枚(約20万円)よりはずっと安いですが、まあまあいいお値段です。
ちなみにルーデウスたち人族の正規の渡航料金は、鉄銭5枚(約500円)となっています。
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ルイジェルド怒りの皆殺し
二人はミリス大陸のザントポートに着いたが、エリスは船酔いで起き上がれない。
ルーデウスはルイジェルドを引き取るため、エリスを寝かせておいて密輸組織の倉庫へ向かう。
倉庫には地下室があり、地下室には密輸業者と思われる大勢の柄の悪い連中と、檻に入れられた動物や獣族の子どもがいた。

地下室の奥の檻で、頭に袋をかぶせられ、後ろ手に縛られて座っているルイジェルド。
密輸業者に子どもを殺されて怒り頂点に達しているルイジェルドは、ルーデウスに「(密輸業者は)皆殺しだ!」とささやく。
ルーデウスはスペルド族の悪評が広まることを恐れて穏便に済ませたいと考えるが、ルイジェルドの説得で(皆殺しに)了承する。
ルイジェルドは憤怒の形相で、密輸業者を殺害して回る。

ミリス大陸のザントポートは、緑が豊かできれいな港町ですね。
エリスはまだ気分が悪いようですが、船酔いって陸に上がればすぐに治るものじゃないんですよね。
船から降りてしばらくは地面も揺れているように感じるし、エリスの苦しみはよくわかります。
ルーデウスが案内されてルイジェルドの檻の前に着いたとき、ルイジェルドは袋をかぶせられて後ろ手に縛られているだけなのに、すごく怒っている雰囲気が伝わってきました。
案の定ルイジェルドはブチギレていて、怒りを抑えた声で「皆殺しだ!」とルーデウスにささやくわけですが、もちろんあんな連中は皆殺し以外ありません。
ルイジェルドは頭を一週間剃っていなかったため緑色の頭髪が少し生えていて、額の赤い目も見えています(ルイジェルドが頭の袋を取ったとき、僕はゾワッと鳥肌が立ちましたよ)。
しかし手当たり次第に密輸業者を殺して回る、憤怒の形相をしたスペルド族は本当に恐ろしかったでしょうね。
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救えなかった獣族の子ども
ルーデウスは獣族の子どもたちが捕らわれている檻へ向かう。
子どもたちに敵ではないことを態度で示し、怪我をしている子どもを治癒魔術で治す。
密輸業者を全滅させたルイジェルドが来て、「救えなくてすまなかった」と子どもの遺体の前でひざをついて謝る。

子どもたちを近くの町へ送り届けるために倉庫から外へ出ると、辺りはすでに暗くなっていた。
密輸業者の死体があちこちに転がっている中、ルーデウスを先頭に子どもたちが歩く。
しばらく歩くと子どもの一人が地下室に残されている犬のことを思い出し、助けてくれと頼むのでルーデウスは倉庫へ戻る。

密輸業者に殺されてしまった獣族の女の子はかわいそうでしたね。
ルイジェルドが「救えなくてすまなかった」と言ったとき、胸が締め付けられましたよ。
生き残っていた子どもたちの中で、気が強くて語尾に「ニャー」をつけて話す女の子はミニトーナ・デドルディアです。
ミニトーナの声は、井澤詩織(いざわしおり)さんが担当しています。
井澤詩織さんの代表作には「イジらないで、長瀞さん」の桜役や「逆転世界ノ電池少女」の黒木ミサ役などがあります。
ミニトーナはのちにルーデウスが通うことになるラノア魔法大学の先輩、リニアーナ・デドルディアの妹です。

ルーデウスが「むふふ」といやらしく笑いながら治癒魔術を使っていた胸の大きなアドルディア族の女の子はテルセナ・アドルディアで、同じくラノア魔法大学の先輩、プルセナ・アドルディアの妹です。

テルセナの声は、伊藤美来(いとうみく)さんが担当しています。
伊藤美来さんの代表作には「白い砂のアクアトープ」の海咲野くくる役や「マブラヴ オルタネイティヴ」の榊千鶴役などがあります。
リニアーナとプルセナはルーデウスと深く関わることになりますが、ミニトーナとテルセナは8年後にルーデウスが聖獣の件でドルディア族の村に再訪するとき少し関わるだけです。
聖獣はミニトーナたちが助けてくれと頼んだ犬のことで、獣族が大事に守っている魔獣です。
聖獣は遠い将来、大変重要な役割を果たすことになっていて、ルーデウスが子どもたちの頼みを聞いて助けに行ったのも、ヒトガミの言う「強い運命」がそうさせたのかもしれません。
リニアーナについてのくわしい記事はこちら
モフモフの聖獣と獣族の戦士
ルーデウスが地下室に戻ると、大きな犬は結界魔術で捕らわれていた。
結界魔術を解いて助けてやると、犬はよろこんでルーデウスに飛びついてくる。
犬の触り心地がいいことに気づいたルーデウスは、状況を忘れて犬とじゃれる。
獣族の男性が「聖獣様に何をしているか!」と怒鳴り、すぐに何かの魔術を放った。

魔術を受けたルーデウスの体は突然動かなくなり、そのままひざから崩れて倒れる。
獣族の男性が「父上」と呼ぶ年配の獣族があらわれ、ルーデウスと聖獣様を連れて一旦村まで戻れと指示を出す。
獣族の男性は担いだルーデウスに「重刑に処してやる」と言うと、大森林を駆け抜けていった。

獣族の男性はギュエス・デドルディアで、デドルディア族の戦士長です。
ルーデウスたちが先ほど助け出したミニトーナの父親で、剣王ギレーヌのお兄さんです。

ギュエスの声は、濱野大輝(はまのだいき)さんが担当しています。
濱野大輝さんの代表作には「SSSS.DYNAZENON」ガウマ役や「2.43 清陰高校男子バレー部」の黒羽頼道役などがあります。
ギュエスは大事な聖獣様を穢(けが)されているように感じたようで、ルーデウスに弁明させる隙もなく吠魔術(はいまじゅつ)をぶっ放しました。
吠魔術はドルディア族の固有魔術で、咆哮に魔力を乗せて相手の平衡感覚を奪う魔術です。
吠魔術は初見ではまず防ぐことはできず、ルーデウスは話すこともできないままドルディア族の村へ連れて行かれてしまいました。
ギュエスから憎々しげに「重い刑を与えてやる」と言われていましたが、果たしてルーデウスはどうなってしまうのでしょうか。
ギュエスについてのくわしい記事はこちら
まとめ:第13話の感想と解説について
今回は、第13話の感想と解説についてまとめました。
- ウェンポートで情報収集したロキシーたちは「デッドエンド」のうわさを聞いて警戒する
- ロキシーがルイジェルドににらまれ、エリナリーゼが乱交し、宿の壁を中級魔術で壊す
- ルイジェルドがザントポートへ密航し、エリスは初めての船旅で船酔いしてダウンする
- 密輸組織の倉庫で獣族の子どもが殺され、怒り爆発のルイジェルドが密輸業者を皆殺し
- 聖獣とじゃれていたルーデウスが密輸業者と誤解されてギュエスに捕まり村へ運ばれる
ヒトガミの妨害のせいで、ルーデウスとロキシーはとうとう会えませんでした。
ロキシーたちはこれから4年ほど、ルーデウスの家族を探して魔大陸を旅することになります。
ルイジェルドは密航前、少しの悪事には目をつぶるとか言ってましたが、子どもを殺すのは「少しの悪事」じゃありませんもんね。
そりゃあ「皆殺し」されても仕方ありません。
ルーデウスが密輸業者と間違われたとき、聖獣が「いやこいつ密輸業者ちゃうよ。わしを助けてくれた恩人やで」と釈明してくれなかったのは、聖獣もまだ子どもなので状況がよくわかっていなかったからだそうです。
以上、「無職転生」第13話「すれ違い」の感想と解説でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
アニメ「無職転生」第13話はコミックス6巻に収められています。

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