アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」第14話のあらすじと感想をまとめています。
感想には独断と偏見と原作をもとにした解説と、軽いネタバレが含まれていることをご了承ください。
第13話「すれ違い」おさらい
- ウェンポートで情報収集したロキシーたちは「デッドエンド」のうわさを聞いて警戒する
- ロキシーがルイジェルドに気づかれ、エリナリーゼが乱交し、宿の壁を中級魔術で壊す
- ルイジェルドがザントポートへ密航し、エリスは初めての船旅で船酔いしてダウンする
- 密輸組織の倉庫で獣族の子どもが殺され、怒り爆発のルイジェルドが密輸業者を皆殺し
- 聖獣とじゃれていたルーデウスが密輸業者と誤解されてギュエスに捕まり村へ運ばれる
第14話「只より高いものはない」感想と解説

第14話「只より高いものはない」あらすじ
無実の罪で獣族の村に捕らえられてしまったルーデウス。
エリスとルイジェルドが迎えに来てくれることを期待する中、そこへギャンブルのイカサマが原因で魔族のギースが同じ牢に叩き込まれてくる。
ギースと話しながらルーデウスは脱獄の可能性を探るが、突如村に密輸組織の一団が襲い掛かってくる。
引用元:dアニメストア
アニメ「無職転生」第14話はライトノベル4巻に収められています。

全裸で牢屋に閉じ込められるルーデウス
自分が捕らわれている牢屋の環境をくわしく説明する全裸のルーデウス。
牢屋は空中にあり、ドルディア族の村の大木のあいだに吊るされていた。

牢屋をつなぐ橋が下ろされるとドルディア族の女性が近づいてきて、ルーデウスに水を浴びせて「変態が!」と罵った。

「全裸に剥かれ、冷水をぶっかけられ、あまつさえ言葉責めまでついてくるとは、変な性癖に目覚めたらどうしてくれる」とつぶやくルーデウス。
しかし三日経ってもルイジェルドとエリスが迎えに来ないので、ルーデウスは少し不安になる。
ルーデウスはギュエスに担がれて、ザントポートから凄まじい速度で走って2~3時間の距離にあるドルディア族の村の牢屋に入れられています。
ルーデウスに水をかけた女性はルーデウスの見張り役で、ラクラーナといいます。
ラクラーナの声は、小市眞琴(こいちまこと)さんが担当しています。
小市眞琴さんの代表作には「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」のルーグ役や「さよなら私のクラマー」の佃真央役などがあります。
ルーデウスがおいしいと言っていた食事はラクラーナが作っていましたが、ルーデウスにおいしい食事を出すようにと指示したのは聖獣でした。
聖獣の指示に従って、料理上手のラクラーナがルーデウスの見張り役に選ばれたのかもしれません。
獣族の人たちは「全裸にされる」「冷水を浴びせられる」「鎖につながれる」ことを最大の屈辱と感じるそうで、ギュエスは聖獣様を穢(けが)したルーデウスに重い罰を与えたつもりでした。
しかしルーデウスにはまったく堪えておらず、それどころか「変な性癖に目覚めたらどうしてくれる」などと余裕の表情でした。
獣族と人族のあいだの価値観の違いを理解するのはなかなか難しいようです。
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イカサマして牢屋に入れられるギース
ルーデウスの牢屋生活五日目に、冒険者風の男性が同じ牢屋に入ってくる。
一人で退屈だったルーデウスは、新入りの男性相手に「牢名主ごっこ」を始める。
男性はギースを名乗り、ギャンブル(サイコロ)でイカサマがばれて牢屋に入れられたと説明する。

ギースが「先輩は(何をやって牢屋に)?」と聞くので、ルーデウスは「銀色の犬を抱きしめたらここにぶち込まれたのさ」と答えた。
ルーデウスがギースに「赤髪の少女と坊主頭のでかい人が僕を探していませんでしたか?」「僕、冤罪でここに閉じ込められているんです。でも仲間が助けに来てくれなくて!」と訴える。
ギースは気の毒そうに「そりゃ、なんつうか、残念だったなあ・・・」と答えた。
パウロがリーダーを務めていた冒険者パーティー「黒狼の牙」の元メンバー、ギース・ヌーカディアが登場しました。
ギースの声は、上田燿司(うえだようじ)さんが担当しています。
上田燿司さんの代表作には「王様ランキング」のベビン役や「名探偵コナン」の柏木優役などがあります。
ギースはイカサマがばれたせいで牢屋に入れられたと説明していましたが、それは嘘です。
捕まっている人族の子どもを助けるために、知り合いの獣族に頼んで、イカサマがばれた体裁でルーデウスと同じ牢屋に入れてもらっています。
ギースは魔力災害でパウロの家族が行方不明になったことを聞いて、いち早くミリス大陸の大森林にあるいろいろな種族を回って、魔力災害の被災者を見つけたらミリス神聖国のミリシオンまで送ってほしいと頼んでいました。
ミリシオンではパウロがフィットア領捜索団を率いて、魔力災害で世界各地に転移させられたフィットア領民を捜索、保護していたからです。
そういう理由でギースが大森林を回っている途中、人族の子どもがドルディア族の村に捕まっていると知って、来てみたら牢屋にいた子どもはパウロの息子だったというわけです。
ギースはルーデウスを一目見てすぐにパウロの息子だとわかったそうです。
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密輸業者に襲われるドルディア族の村
六日目の夜、ルーデウスはギースにマッサージをしてもらいながら脱走の相談をする。
二人が脱走についてもめていると、ドルディア族の村が火事になっていることに気づく。

緊急事態にルーデウスは鍵を作って牢屋を出て、牢屋のそばに置いてあった服を着て走る。
村に火をつけた密輸業者たちはドルディア族の大人たちを殺し、子どもたちを片っ端から捕まえていた。

ドルディア族にひどい扱いを受けて不満を持っていたルーデウスだが、密輸業者のやっていることはあまりにも胸くそ悪く、許せるものではなかった。
全裸のルーデウスをマッサージするギース、じつにホモホモしい場面でしたね。
ラクラーナは牢屋を凝視していましたが、なにを思っていたのでしょうか。
ルーデウスは牢屋から出てドルディア族の村から逃げるのは簡単ですが、一人で大森林を抜けてザントポートへ行くことはできないのでギースに脱走の相談していました。
二人がドタバタしているうちに見張り役のラクラーナがいないことに気づき、ドルディア族の村が火事になっていることを知ります。
アニメではルーデウスは土魔術で鍵をぱっと作っていますが、原作では牢屋から一度抜け出ていて、そのときに鍵を複製していましたが、アニメでは尺の関係でカットされたようです。
そしてアニメでは都合よく牢屋のそばに置いてあった服を着て杖を持っていますが、原作では全裸にギースからもらったベストだけという格好で牢屋から飛び出しています。
さすがにフルチンでのアクションシーンをアニメで描くのは難しいでしょうから、あれくらいのご都合設定は仕方ありません。
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清々しいほどの悪党ガルス登場
「逃げるなら、いまが絶好のチャンスだぜ」と言うギースに、ルーデウスは「獣族を助けて恩を売る」と答える。
ルーデウスは水魔術で大雨を降らせて、村の火事を一瞬で消した。

密輸業者たちがルーデウスに向かってくるが、ギュエスがあらわれて斬り捨てる。
ルーデウスたちが馬車に乗せられている子どもたちを助けにいくと、子どもを人質に取ったガルスがあらわれた。

ドルディア族の村の火事を消すときにルーデウスが使った魔術は、上級の水魔術「大雨(スコール)」です。
聖級の水魔術「豪雷積層雲(キュムロニンバス)」で雲の操作を覚えたときの応用で、大量の雨が一気に降るように、ドルディア族の村の上空に雲を大きくふくらませました。
正体をあらわしたガルスが、「俺が北聖 “クリーナー(掃除屋)” ガルスだ!」と名乗って出てきました。
「掃除屋」という二つ名はちょっとかっこいいですが、なぜそう呼ばれているかは原作でも説明されていないのでわかりません(暗殺が得意で邪魔なやつを “掃除する” とかそういうことでしょうか)。
この世界には、剣神流、水神流、北神流という剣術の三大流派があって、ガルスは北聖、北神流の聖級の使い手です。
北神流には人質を使った戦法があって、剣神流や水神流のいわゆるまっとうな剣士からすれば卑怯極まりない戦い方ですが、「強ければ正義」というこの世界ではそれもありといった感じです。
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ガルスVSルーデウス・ギース・聖獣
ガルスはルーデウスたちをおとりとして利用するためにルイジェルドの密航を手伝ったことを白状し、ルーデウスに「こっちにつけよ」とスカウトしてきた。
ルーデウスが断ると戦闘が始まり、ギュエスと獣族の戦士たちがガルスを取り囲んで攻撃するが、ガルスは北神流を使って全員を倒す。
怖じ気づいたルーデウスが手を出せずにいると、聖獣があらわれてガルスの腕にかみついた。

気を取り直したルーデウスが風魔術を放ち、「岩砲弾(ストーンキャノン)」を連射するが、ガルスは難なく避けてルーデウスに迫ってきた。
ルーデウスはガルスの動きを予見眼で見ていたが、投げられた短剣を避けきれず太ももに受ける。
ルーデウスは危機に陥るが、聖獣とギースが加勢してくれたおかげでガルスに隙ができ、ルーデウスが火魔術を撃ってガルスを倒した。

ガルスの言う「獣族のガキを高く買ってくれる物好きな変態貴族」は、やはりアスラ王国のグレイラット家のことでしょうね(獣族好き貴族はほかにいませんし)。

需要があれば供給があるのは摂理で、アスラ王国の変態貴族が獣族の子どもを求めなければ、密輸業者もドルディア族の村を襲わなかったんですけどね。
ガルスは恐ろしく強かったですが、聖獣とギースの協力でルーデウスは勝つことができました。
原作ではギースが「北神流奇抜派妙技、落涙弾」と言いながら黒い袋を投げると、ガルスが両腕で顔を覆って隙だらけになり、そこにルーデウスが魔術を放つ流れでした。
しかしやはりルーデウスは人を殺すことができないので、爆風を発生させる火魔術でガルスを吹き飛ばして気絶させるにとどまっています。
ルイジェルドならなんのためらいもなく急所を一刺しでしょうけどね。
アニメではルーデウスも気絶していますが、原作ではガルスを倒したあと手錠と足かせをかけて猿ぐつわをかませて、ザントポートの役人に引き渡しています。
ガルスの投げた短剣が刺さる場所も原作では足の甲なので、アニメのように太ももを刺されてひどく出血しておらずルーデウスは気を失わずに済んでいます。
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エリスとルイジェルドの一週間
聖獣に顔をなめられてルーデウスが目を覚ますと、エリスとルイジェルドがいた。
ルーデウスは戦いのあと気を失い、族長の部屋で寝かされていた。
ギュエスと看守の女性が腹を見せて謝罪し、族長がルーデウスに感謝の言葉を伝える。

ルーデウスはエリスから、この一週間にルイジェルドとエリスに起きた出来事を聞く。
ルーデウスは「獣族の村にきたなんて、ボレアス家の皆さんにいい土産話ができますね」とエリスに言った。
エリスは「帰ったらお爺様に自慢するわ!早く会いたいわね!」と笑顔で答えた。

ルーデウスはギュエスとラクラーナに仰向けになって謝罪されました。
仰向けになって腹を見せて行う謝罪は獣族独特で、日本の土下座に相当します。
この一週間はルーデウスも大変でしたが、ルイジェルドはもっと大変でした。
エリスは獣族の女の子たちと楽しく過ごしていたようですが。
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アスラ王宮で処刑されるサウロス
アスラ王国の王宮で断罪されているサウロス・ボレアス・グレイラット。
フィットア領の魔力災害で正当な処置をせず、領民を混乱に陥れたという理由で責任を取らされていた。

二階の観覧席からサウロスを見守る王族たち。
ダリウスを名乗る太った男性が「フィットア領のことはこのダリウスの任せたまえ」と言った。
サウロスは「ゲスが」と心中で毒づくと、エリスのしあわせを願いながら首をはねられた。
エリスの「帰ったらお爺様に自慢するわ!早く会いたいわね!」から、サウロスの処刑シーンにつながるとは思いませんでした。
いかにも悪役っぽいハゲデブはダリウス・シルバ・ガニウス上級大臣で、横にいる金髪イケメンが第一王子のグラーヴェル・ザフィン・アスラです。
ダリウスの声は、武虎(たけとら)さんが担当しています。
武虎さんの代表作には「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」のクロム役や「クレヨンしんちゃん」の黒輪三太郎役などがあります。
グラーヴェルの声は、水中雅章(みずなかまさあき)さんが担当しています。
水中雅章さんの代表作には「東京リベンジャーズ」の場地圭介役や「転生したらスライムだった件」のロイ・ヴァレンタイン役などがあります。
二階の観覧席からサウロスの処刑を見守っているのは第二王女アリエル・アネモイ・アスラと第二王子ハルファウスで、アリエル王女はのちにルーデウスと深く関わることになります。
サウロスはダリウスに謀られて処刑されましたが、エリスがサウロスの処刑の真相を知るのはずっとあとになります。
ダリウスとサウロスの関係についてのくわしい記事はこちら
まとめ:第14話の感想と解説について
今回は、第14話の感想と解説についてまとめました。
- ルーデウスが無実の罪で牢屋に入れられるがルイジェルドたちは一向に迎えにこない
- ルーデウスの牢屋にギースが入ってきて「先輩」「新入り」と呼び合い親しくなる
- ドルディア族の村がガルス率いる密輸業者に襲われ子どもたちがさらわれそうになる
- 北神流聖級のガルスは強くルーデウスは押されるが聖獣とギースの手助けで勝利する
- ルイジェルドは密輸組織を潰すも役人から密輸の冤罪をかけられ解決に一週間かかる
ガルス・クリーナーはネット版には登場しません。
小説版と漫画版に出てきますが、漫画版のガルス・クリーナーは眼帯をしていて見るからに悪そうなデザインです。
アニメ版では第13話に一癖ありそうだけどそんなに嫌な感じはしない人物として登場しましたが、正体はとんでもないゲス野郎でした。
ゲス野郎といえばダリウス上級大臣も負けず劣らずの人物ですが、ダリウスが活躍する話なんてまだずっと先になるはずです。
1クールが12話くらいで進んでも第5クールくらい?(適当ですが、もっと先かも)。
完結するまで何年かかるかわかりませんが、最後まで見届けようと思います。
以上、「無職転生」第14話「只より高いものはない」の感想と解説でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
アニメ「無職転生」第14話はコミックス6巻に収められています。

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