アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」第15話のあらすじと感想をまとめています。
感想には独断と偏見と原作をもとにした解説と、軽いネタバレが含まれていることをご了承ください。
第14話「只より高いものはない」おさらい
- ルーデウスが無実の罪で牢屋に入れられるが、ルイジェルドたちは一向に迎えにこない
- ルーデウスの牢屋にギースが入ってきて、「先輩」「新入り」と呼び合い親しくなる
- ドルディア族の村がガルス率いる密輸業者に襲われ、子どもたちがさらわれそうになる
- 北神流聖級のガルスは強くルーデウスは押されるが、聖獣とギースの手助けで勝利する
- ルイジェルドは密輸組織を潰すも役人から密輸の冤罪をかけられ、解決に一週間かかる
第15話「ドルディア村のスローライフ」感想と解説

第15話「ドルディア村のスローライフ」あらすじ
ドルディア族の集落に迎え入れられたルーデウス、エリス、ルイジェルド。
この村がギレーヌの故郷だと知ったエリスは喜ぶが、ギレーヌの兄・ギュエスは彼女のことを一族の面汚しだと吐き捨て、二人は一触即発の事態に。
タダならぬ様子にルーデウスたちが困惑する中、エリスはギュエスの娘であるミニトーナに剣術を教えることになって・・・。
引用元:dアニメストア
アニメ「無職転生」第15話はライトノベル4巻に収められています。

木箱の中からエリスたちをのぞき見
エリスとミニトーナとテルセナが全裸で水遊びしている。

木箱の中に入って小さな穴から三人をのぞき見するルーデウス。
「ぐふふ」と気持ち悪く笑っていると、聖獣に木箱を引っくり返される。
ギュエスから娘に発情するなら許さないと厳しく咎められる。

エリスはルーデウスがのぞき見していたことに気づいてきつくにらむ。
ルーデウスはあいかわらず節操なしに気持ち悪いことをしていますね。
ドルディア族の村がある大森林は雨期に入りました。
大森林の雨期は豪雨が三か月ほど続き、そのあいだ水位が5メートルも地面から上がります(だからドルディア族の家は木の上に建ててあるのです)。
雨期のあいだに出没する強い魔物もいるので、大森林は通行ができなくなります。
テルセナの家は別の集落にあるのですが、誘拐事件のあとゴタゴタしているうちに雨期が来て、移動できなくなってしまったのでミニトーナの家でお世話になっています。
ルーデウスたちは密輸業者の襲撃から村を守り、子どもたちを救った英雄として村に迎え入れられています。
しかしそれと娘の裸をのぞき見して発情するのは別の話なので、いくら村の英雄といえども、そりゃあギュエス父さんは怒りますよ。
ルーデウスは今度は冤罪でなく、のぞきの現行犯で牢屋に入れられるかもしれませんね。
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雨期はドルディア族の村でのんびり
ミニトーナとテルセナの前で剣を振って見せるエリス。
ルイジェルドは獣族の戦士とドルディア族の村をパトロールしている。
ルーデウスはルイジェルド人形を作っている。

ギースは後ろ手に縛られたガルスと同じ牢屋に入れられ、「なんで俺だけ?」と文句を言っていた。

ルーデウスたちは族長の家でごちそうを振る舞われ、もてなされていた。
大森林の雨期ではいつもより強い魔物が出るそうで、ルイジェルドは村のパトロール役を買って出ています。
先の誘拐事件で獣族の戦士の数がだいぶ減っていたので、ギュスターブはとてもよろこんでルイジェルドの申し出を受けたそうです。
ギースは原作では恩赦があって自由の身になっていましたが、アニメではまだ捕らわれの身で、しかもガルスと同じ牢屋でした(よく見るとガルスは全裸にされています)。
「なんで俺だけ?」というギースのぼやきはわかります。
ガルスは牢屋の中でしけた顔をしていましたが、むしろ獣族の仲間にあれだけのことをしておいて生かされているのが不思議です。

人を殺せないルーデウスはともかく、ザントポートの密輸組織を壊滅させた獣族の戦士なら、ガルスを始末することなど雑作もないでしょうに。
ルーデウスたちは族長の家ですごいごちそうを食べていましたね。
子どもたちは正座して食べていましたが、獣族にも正座する文化があるんですね。

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エリスとギュエスの知るギレーヌは別人
ミニトーナとテルセナに人間語を教えているエリスを見てルーデウスは感激する。
ギュエスが娘ミニトーナをかわいがってもらっている礼をエリスに言うと、「ドルディアの民の証」の指輪をしていることに気づく。
エリスが「10歳の誕生日にギレーヌからもらったの」と答える。

ルーデウスもギュエスに向かって「あなたにそっくりなのですが、なにかご存知ないですか?」と尋ねる。
ギュエスはギレーヌを「どこかで野垂れ死んでいると思っていた」「一族の面汚しだ」と罵る。
ミニトーナの手を引いて族長の家を出ていったギュエスをエリスは追いかけ、泣きながらギレーヌの擁護をする。

ルーデウスは「僕らの知ってるギレーヌと彼の知ってるギレーヌは違うようです」とエリスをなぐさめた。
指輪はエリスが10歳の誕生日にギレーヌからもらったもので、ギレーヌは「一族に伝わる魔除けの指輪」と説明していました。
その話は第1クールの第7話で描かれています。
ギレーヌはその指輪をお母さんからもらったそうですが、お母さんの気持ちを知っているギュエスは、ギレーヌの昔の振る舞いが許せなかったのでしょう。
エリスは人間的にマシになったギレーヌしか知らないので、族長の家系にふさわしくない言動をする妹を持ったギュエスのつらい気持ちなどわかりません。
ギュエスは「どこかで野垂れ死んでいると思っていた」と言っていましたが、実際にギレーヌは野垂れ死にそうになったところをエリスとサウロスに助けられていますしね。
それがきっかけでギレーヌは、エリスとサウロスに恩を感じてずっと尽くしています。
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エリスに剣術を教えてもらうミニトーナ
エリスが部屋で指輪を見ながらギレーヌを思い出している。
ミニトーナとテルセナが、ギレーヌのことを知りたいとやって来る。
エリスはギレーヌのことを肯定的に説明し、「勉強嫌いだった自分に剣の道を教えてくれたギレーヌに感謝している」とミニトーナたちに話す。

ミニトーナは覚悟を決めた表情で、エリスに「ギレーヌの剣を教えて」と頼む。
エリスは「ギレーヌのすごさをみっちり叩きこんでやるから」と承諾する。
部屋の外でギュエスが三人の話を聞いていた。

勉強がきらいでも剣術があれば生活していけるのはいいですね。
心を鍛えないとギレーヌのようになってしまうので、ギュエスはミニトーナに心を鍛えろと教えているのでしょう。
ギュエスの教えはもっともなことで、心も鍛えないとガルスのような剣術だけ強い悪党になってしまいますからね。
ギレーヌは師匠から教わったようにエリスに剣術を教えたでしょうから、エリスもギレーヌから教わったことをミニトーナに教えるのではないでしょうか。
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ギュエスの知らないギレーヌ
剣術の練習をするエリスとミニトーナ、二人を見守るテルセナ。
聖獣をひざまくらしているルーデウスに、ギュエスがギレーヌのことを尋ねる。
ルーデウスが「ギレーヌはエリスの剣術の師匠で剣王で、魔術と読み書きや算術だってできる」と答える。

「あのギレーヌが・・・」と驚くギュエスに、ルーデウスが「人は変わるんです」と言う。
聖獣はルーデウスにずいぶん懐いていますが、体は大きいけどまだ子犬ですからね。
ルーデウスからギュエスの近況を聞いて、ギュエスは「あのギレーヌが・・・」とすごく驚いていますが、ギレーヌの幼少時を知るとたしかに「あのギレーヌが・・・」と言いたくなります。
「魔物のようなやつ」がいまでは「剣王」で、魔術、読み書き、算術までできるなんて、ちょっと信じられませんよね。

ルーデウスは「人は変わるんです」と自分のことと重ねて言っていましたが、ギュエスの知っているギレーヌは10歳前、ルーデウスたちの知っているギレーヌは30歳前後です。
20年もの月日があれば、人が大きく変わっていてもそれほど不思議ではないかもしれません。
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エリスとミニトーナはズッ友だょ・・・!
エリスと技の上達したミニトーナが剣術の練習をしている。

エリスは「三か月でずいぶん動けるようになった」とミニトーナをほめる。
テルセナが寂しげな表情で「雨期がもうすぐ終わる」とつぶやく。
「やっと次の町へ行ける」とよろこぶエリスと、ずっとエリスと一緒にいたいミニトーナが喧嘩を始める。
ルーデウスは出来上がったルイジェルド人形に満足して、聖獣とじゃれていた。
ラクラーナが部屋に来て、ルーデウスに「聖獣様は世界の危機に英雄と一緒に旅立つ大切な方なので、発情しないでください」と恥ずかしそうにお願いする。

エリスとミニトーナの喧嘩を止めに行ったルーデウスは、ちゃんと手加減していたエリスに感心する。
ルーデウスたちがドルディア族の村でお世話になって三か月が経ちました。
大森林の雨期はもうすぐ終わるようです。
年齢の近い女の子同士が毎日楽しく過ごしていたら、そりゃ離れがたくなりますよね。
聖獣は「数百年に一度生まれ世界を救う」とされる魔獣で、いまは犬のように見えますが、ずっと未来では狼のような姿になるということです。
ドルディア族は聖獣を守護する役割を持っていて、聖獣に絶対的な忠誠を誓っています。
そんなドルディア族の人たちからは、ルーデウスと聖獣がじゃれあう姿は見てはいけないものを見せられているように思うのかもしれません。
しかし将来はともかく今はまだ子どもなので、ルーデウスと遊ぶのがすごく楽しいのではないでしょうか(ドルディア族の人たちは畏れ多くて聖獣をモフモフなんてしないでしょうから)。

聖獣はルーデウスと初めて会ったときからずっと懐いていますが、重要な役割を果たすために、のちにルーデウスのもとへ召喚されることになります。
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ギレーヌの過去とギュエスの後悔
テルセナが「エリスに謝ろう」と言うが、ミニトーナはふて寝したまま「あんなわからず屋きらいニャ」と答える。
ギュエスがあらわれ、「ルーデウスたちは明日ここを発つそうだ」と伝え、「エリスに剣を習っていたがどうだった?」と尋ねる。

ミニトーナは「楽しかった、エリスはいい先生だった、きっとギレーヌおばさんはいい師匠だったニャ」と答える。
ギュエスはミニトーナの言葉を聞いて、ギレーヌの過去の話と後悔している気持ちを明かす。
そして「おまえはこのままエリスと別れてしまっていいのか?」とミニトーナに尋ねた。
ギュエスが語った昔のギレーヌは、思っていた以上のケモノっぷりでしたね。
「魔物のようなやつだった」とまで言われていますが、言葉もろくに通じないで暴れるなら、魔物にたとえられても仕方がないでしょう。

しかしギュエスはそんなギレーヌを「救ってやらなければいけなかったのかもしれない、わかり合えたかもしれない、いまになって後悔している」と言っています。
ギュエスとギレーヌの別れとエリスとミニトーナの別れを同列に語るのは無理がありますが、「喧嘩別れなんかしたら後悔するよ?」とギュエスは娘に教えてあげているんでしょうね。
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エリスとミニトーナの仲直り
ルーデウスが荷造りをしながら、ミニトーナと仲直りしておいたほうがいいとエリスに遠回しに伝える。
部屋の外にミニトーナとテルセナがいることに気づいて、ルーデウスは気を遣って聖獣と散歩に出る。
ミニトーナとテルセナが部屋に入り、エリスに「わがまま言ってごめんなさいニャ」と謝った。
エリスたち三人は仲直りして、テルセナが彫ったエリスとルーデウス人形を見て笑い合う。

聖獣がルイジェルド人形をクンクンと嗅いでいましたが、どんなにおいがするんでしょうか。
こちらではルーデウスがエリスに仲裁していましたが、エリスたちは仲直りできてよかったですね。
テルセナの彫った人形は、ルーデウスのルイジェルド人形とは技術的に比べるべくもありませんが、素朴で温かい感じのする人形です。

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エリスとギュエスの手合わせ
ルーデウスたちがドルディア族の村を出発する朝、みんなそれぞれが別れを惜しんでいた。

ギュエスが「ギレーヌが教えたというその剣、わたしにも見せてくれないか」とエリスに手合わせを願った。
聖獣の「ワン!」を合図に一撃だけ斬り合った二人は、手合わせ後にお互いを称える。

ギュエスが「また来い。いつでも歓迎する。あいつにも、そう伝えてくれ」と右手を出すと、エリスは「次はわたしが勝つから!」と言って握手した。
「あれ、わかってないの俺だけ?」と一人で焦るルーデウス。
ルイジェルドのパトロールのおかげで犠牲者が出なかったとギュスターブが感謝しています。

ルイジェルドの額の目は村に侵入してくる魔物をすぐに見つけてくれるので、獣族の戦士たちも退治することが難しくなかったようです。
原作ではルイジェルドが見つけてルーデウスが魔術で倒し、死体から素材を剥ぎ取ってギュエスに買い取ってもらっていましたが、アニメではルーデウスはルイジェルド人形作りに励んでいました。
ミニトーナとエリスも仲直りできてよかったし、ギュエスとエリスも理解し合えてよかったです。
しかしギュエスとエリスの手合わせは、ルーデウスだけわかっていないようでしたね(僕もわかりませんでしたが)。
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「デッドエンド」ミリス神聖国へ
村人に見送られながら、次の町へ出発する「デッドエンド」。

エリスが涙をふきながら、ルーデウスに「またここへ来るわよ!」と宣言する。
そこへギースが「先輩、待ってくれ!」と走ってきて、馬車に飛び乗る。
ギースは「牢屋から逃げ出してきた。ミリス神聖国へ行く」と言うので、一緒に旅をすることになった。
ギースは物知りで、聖剣街道や七大列強の石碑について教えてくれた。
ルイジェルドが「俺も若いころは、いずれ七大列強の一人に数えられるようにと鍛錬を積んだものだ」と遠い目をしながら話す。

ルーデウスは「やっかいな連中にからまれないように、慎ましやかに暮らせってことだろう。ルイジェルドでもかなわないやつなんかと敵対したら、命がいくつあっても足りないしな」と思う。

聖剣街道は、ミリス神聖国の首都ミリシオンから港町ザントポートまで、大森林を分断するようにまっすぐに続いている街道です。

昔、ある英雄が魔大陸にいた魔王をミリシオンから一刀両断したとき、山と森が切り裂かれたそうで、それが聖剣街道になったといいます。
ある英雄とは聖ミリスのことで、この世界の一大宗派、ミリス教団の開祖です。
ルーデウスたちが向かっているミリス神聖国は、ミリス教団が政治や治安に深く関わっていて、人族以外の種族への差別が激しい国です(魔族は特にきらわれています)。
聖剣街道には聖ミリスの魔力の影響で魔物があらわれず、一定区間に野宿できるポイントがあります。
そのポイントには「七大列強」の石碑があります。

「七大列強」とは、この世界で最も強いとされる七人のことで、魔道具でもある石碑が現時点の「七大列強」をリアルタイムで表示しています。
「七大列強」の石碑は聖剣街道だけでなく世界のあちこちにあります(魔力の濃い場所という条件はありますが)。
「七大列強」実質一位についてのくわしい記事はこちら
まとめ:第15話の感想と解説について
今回は、第15話の感想と解説についてまとめました。
- 大森林に雨期がきてルーデウスたちは移動できなくなりドルディア族の村でのんびり過ごす
- エリスとギュエスの間でギレーヌの認識について大きな相違がありルーデウスが仲裁する
- エリスがミニトーナに頼まれ剣術を教えるとミニトーナは三か月で見違えるほど上達する
- 雨期が終わり別れが寂しくなったミニトーナが無理を言ってエリスと喧嘩するが仲直りする
- 牢屋を抜け出したギースと「デッドエンド」は聖剣街道を馬車で走りミリス神聖国を目指す
以上、「無職転生」第15話「ドルディア村のスローライフ」の感想と解説でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
アニメ「無職転生」第15話はライトノベル4巻に収められています。

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