アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」第17話のあらすじと感想をまとめています。
感想には独断と偏見と原作を基にした解説と、軽いネタバレが含まれていることをご了承ください。
第16話「親子げんか」おさらい
- 「デッドエンド」とギースが聖剣街道を旅してミリス神聖国ミリシオンへ着いた
- 翌日を休みにして、ルーデウスは手紙を書き、エリスはゴブリン退治に行くことに
- ルーデウスが人さらいを見かけて追いかけると戦闘になり、偶然パウロと再会する
- ルーデウスとパウロは状況認識の違いでけんかになり、ノルンとつらい再会をする
- パウロとノルンとのつらい再会に落ち込んだルーデウスをエリスが抱きしめる
第17話「再会」感想と解説

第17話「再会」あらすじ
父・パウロと再会を果たしたものの、ゼニス、リーシャ、アイシャ、シルフィが転移事件で行方不明になったこと、そしてパウロとの衝突で傷心するルーデウス。
一方のパウロはギースに諭され、ルーデウスにぶつけた言葉など己の過ちに気づき、もう一度息子と会って話をしようとする。
勇気を振り絞りパウロと対峙するルーデウスだが・・・。
引用元:dアニメストア
アニメ「無職転生」第17話はライトノベル5巻に収められています。
草原地帯に転移したパウロとノルン
パウロは気がついたらノルンを抱いて草原に立っていた。

周囲を見回すが、ゼニスもリーリャもアイシャもいない。
パウロはブエナ村で見た空の色の異変を思い出す。
不安そうに「お父さん」と呼ぶノルン。

パウロは「大丈夫だ。すぐ家に帰ろう」と言って歩き出す。
パウロとノルンが魔力災害(フィットア領転移事件)に遭って転移させられた場所は、アスラ王国南部の草原地帯でした。

ゼニスはベガリット大陸へ、リーリャとアイシャはシーローン王国へ飛ばされています。

パウロは昔潜った迷宮で転移魔法陣を踏んでまったく違う場所に転移させられたときの状況に似ていることを思い出し、何らかの原因で転移させられたことに気づきました。
パウロは不安そうに父親を見ている娘を見て、自分に言い聞かせるように「大丈夫だ。すぐ家に帰ろう」と言っています。

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フィットア領捜索団とパウロの苦悩
魔力災害後のパウロとノルンの生活がオープニングで描かれる。
原作を読んでいてパウロのつらい思いを知っているから、オープニングで泣かされてしまいました。
オープニングで流された映像の意味を説明していきます。
パウロが乗っていた馬は、付近の冒険者ギルドで緊急の配達依頼を受けて借りたものです。

フィットア領へ帰るための移動手段が欲しかっただけなので、最初から依頼を達成するつもりも馬を返すつもりもありませんでした。
肌身離さず提げていた剣に冒険者カードとアスラ金貨を仕込んでいたおかげです。
パウロは急いでフィットア領を目指しますが、幼いノルンは馬による慣れない旅のせいで熱を出して寝込んでしまいます。

パウロとノルンは二か月かけてフィットア領に戻りましたが、故郷は見渡す限り何もない絶望的な状況でした。

パウロが魔力災害に関する情報を集めていると、ボレアス家の執事アルフォンスがパウロを訪ねてきて、難民キャンプの立ち上げの協力を依頼してきました。

アルフォンスはフィットア領が消失してもボレアス家に忠誠を誓う忠義者でした。

パウロはアルフォンスに協力して難民キャンプを立ち上げたあと、「フィットア領捜索団」を組織しました。
「フィットア領捜索団」の目的は、魔力災害で世界各地に転移させられたフィットア領民を探すことです。
パウロはアスラ王国かミリス神聖国のどちらかを押さえておけば情報が入るだろうと判断し、ノルンを連れてミリス神聖国へ渡りました。

パウロ率いる「フィットア領捜索団」は、ミリス神聖国で数千人のフィットア領民を救い出しました。

ミリス神聖国に転移させられたフィットア領民のなかには奴隷になった人もいましたが、パウロはアスラ王国の実家(ノトス・グレイラット家)の権力、ゼニスの実家(ミリス神聖国ラトレイア家)の権力、冒険者パーティー「黒狼の牙」時代の名声、金、武力など、使えるものはすべて使って救助しています。

冒険者をしていた若い姉妹(ビキニアーマーが姉のヴェラで魔術師が妹のシェラ)もミリス神聖国に飛ばされ、盗賊の慰みものになっていたところを助け出されています。

しかし救助活動が順調に進んだのは最初の半年だけで、一年半が経過するころになると入ってくるのはフィットア領民の死亡報告ばかりになりました。

ミリス神聖国の法律に触れるような強引な救助活動を行ったせいで、貴族たちから抵抗されて団員が死亡することもあり、パウロのやり方を団員たちから責められることもありました。

パウロは救助活動が行き詰まったこと、「フィットア領捜索団」の士気が落ちてきたこと、ノルン以外の家族を見つけられないことで焦燥感を募らせ、酒びたりの毎日を送っていました。

そんなパウロに団員たちは一歩距離を置くようになりますが、ノルンだけは変わらずパウロに懐いて信頼していました。

パウロもただ一人の家族のノルンをとても愛しく思っていました。
ノルンにとってそんな大切な父親が、理由はどうあれどこぞのガキに馬乗りで殴られていたら、そりゃあ突き飛ばしてしまいますよね。
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ギースの説得とパウロの後悔
鼻歌を歌いながら街の通りを歩くギース。
パウロはルーデウスと殴り合いをしたあとも酒を飲んでいた。

ギースはひさしぶりに会ったパウロに話しかける。
パウロから話を聞いたギースは、ルーデウスの置かれていた状況をくわしく説明する。

ギースに諭されたパウロは、ルーデウスに間違った態度を取っていたことに気づく。
パウロがノルンの寝顔を見ていると、元気で明るいルーデウスと四肢を欠損して恨み言を言うルーデウスの妄想を見る。

パウロは井戸の水をかぶり、「こりゃダメかも知れねえな」とつぶやく。
ギースがいてくれて本当によかったですね。
第16話を見ていた視聴者が言いたかったことをギースが全部言ってくれました。
やさぐれたパウロを理詰めで説得できるのは、魔大陸の環境とルーデウスの状況を知っているギースしかいなかったと思います。

ギースは魔大陸出身のヌカ族という魔族で、本名はギース・ヌーカディアといいます。
昔パウロが冒険者をしていたころの元メンバーで、シーフ担当の何事も器用にこなす男性です。
二人でだいぶ飲んでいましたが、ギースは炭鉱族以上に酒が強いのであれくらい平気なのです。
しかしギースは飲むだけ飲んで店から出ていきましたが、パウロがギースの分も全部お支払いするんでしょうね。
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ルイジェルドの忠告と酒場の主人の気づかい
「デッドエンド」が食事をしていると、パウロが店に入ってくる。
つっかかるエリスをルイジェルドが止める。
ルイジェルドは「おまえの言い分もあるだろうが、その言い分が通るのは、息子が生きているときだけだ」とパウロに言って、エリスを連れて店を出る。

ルーデウスとパウロは昨日の件や魔力災害の状況を話す。
酒場の主人が「サービスだ」と言ってお湯を置き、ルーデウスに「なあ、坊主。くわしいことはわかんねえが、顔ぐらい見てやれよ」と言う。

パウロの顔を見たルーデウスは、前世でひきこもっていたとき遊びにきてくれた友達のことを思い出す。
ルーデウスはパウロに「父様、提案があります」「昨日のことはなかったことにしましょう」と言い、二人は抱き合って再会をやり直す。
パウロは涙を流しながら、ルーデウスに何度も「会いたかった」と繰り返した。

「おまえの言い分もあるだろうが、その言い分が通るのは、息子が生きているときだけだ」というルイジェルドの言葉が重かったですね。
ルイジェルドは自分の手で息子を殺しているので、どれだけ理由や言い分があっても、死んだあとはどうにもならないことを知っています。
しかしパウロとルーデウスの会話の場面は、「無職転生」を見ていて二番目に息苦しく感じましたよ。
一番目はリーリャの妊娠がわかったあと、ゼニスとリーリャが今後について話し合っている場面です。

酒場の主人の言葉でルーデウスはパウロの顔を見て、前世の出来事を思い出します。
軽口を叩いた友達と喧嘩したあと謝れなかった自分と、きちんと謝りに来てくれたパウロ。
昨日のことはなかったことにして再会をよろこぶのは、よい案だったのではないでしょうか。
酒場の主人のあの一言がなかったら、親子は仲直りできなかったかもしれません。
酒場の主人は二人の事情をよく知らなかったでしょうが、すばらしいアシストをしてくれたと思います。
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仲直りした親子とよろこぶ仲間
パウロとルーデウスが部屋で談笑していると、エリスとルイジェルドが帰ってきた。
エリスの目には青あざがあり、ルイジェルドは「止めるのに苦労した」と言う。

ルーデウスが「父親と仲直りできました」と言い、パウロはエリスとルイジェルドに頭を下げる。
ルイジェルドは「仲直りできたのならそれでいい」とほほ笑み、エリスは腕を組んで「ふん!」とそっぽを向いた。

エリスは本気でパウロを殴るつもりでいたので、ルイジェルドも本気で止めざるを得ませんでした。
エリスがあんなに落ちこんだルーデウスを見たのは初めてだったので、ルーデウスにひどい態度を取ったパウロがどうしても許せなかったようです。
しかしルイジェルドが殴らないと止められないほど、エリスは強くなっていたんですね。
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エリスの覚悟とルーデウスの決心
ルーデウスはエリスにヒーリングをかけ、「デッドエンド」の作戦会議を始める。
パウロから旅費と紹介状をもらったこと、フィットア領が存在しないこと、フィリップやサウロスが見つかっていないこと、ギレーヌの居所がわからないこと、などをルーデウスは説明する。
エリスは「そのぐらい覚悟していたわ!」と腕を組んで言い放つ。

「明日この街を出ようと思いますが」と言うルーデウスに、ルイジェルドは「旅立てば、(父親と)二度と会えんかも知れんぞ」と言う。
ルーデウスは「いま探さなければ、二度と会えない家族がいるので、そちらを優先したいと思います」と答えた。

原作ではパウロとルーデウスはそのまま酒場で夕方まで話し込んでいます。
ヴェラとシェラが迎えにきてパウロが出て行ったあと、ルイジェルドとエリスが戻ってきます。
そしてそのまま酒場で二回目の「デッドエンド」作戦会議を行う流れになっています。
アニメではパウロも作戦会議に参加していて、旅費と紹介状(スペルド族がミリス大陸から中央大陸へ渡るけど通してやってね、みたいな書類です)をルーデウスに渡していました。
エリスはドルディア族の村で、ボレアス家のみんなに獣族の村に行ったという土産話をするのが楽しみとルーデウスに話を合わせていましたが、やはりある程度の覚悟はしていたんですね。
サウロスは王都で処刑されましたが、その報告はフィットア領捜索団の連絡網でもまだ届いていないようです。

フィリップとヒルダとギレーヌは魔力災害に遭って、中央大陸の紛争地帯へ転移させられました。
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ミリシオンを出発する「デッドエンド」
翌朝、ミリシオンを出発する「デッドエンド」。
ルーデウスを嫌ったままのノルンに、ルイジェルドは頭をなでながら「きょうだいは大切にしろ」とやさしく言う。

エリスはヴェラたちにルイジェルド人形を配る。
パウロが「デッドエンド」の後ろ姿をながめているとギースがあらわれる。
パウロが礼を言うと、ギースは「いいってことよ」「次はベガリット大陸を探してくる」と言って去っていく。

パウロは気合を入れ、ヴェラとシェラに「フィットア領捜索団」の運営の指示を出す。
パウロとルーデウスは晴れやかな表情で別れる。
ルーデウスは最後までノルンに嫌われたままでした。
五歳の子どもだから仕方がないとはいえ、兄としてはなかなか切ないものがあります。
しかしルイジェルドは子どもの頭をなでるのが好きですね。
あんなに優しい表情のルイジェルドが、悪党にはこんな形相になるとはノルンも想像できないでしょう。

今回、ギースは大活躍でしたね。
パウロとルーデウスが仲直りできたのはほとんどギースのおかげです。
ギースはベガリット大陸へ行くと言っていました。
ベガリット大陸でパウロとルーデウスはゼニスと再会することになります。
でもまだずっと先の話なんですよね。
「無職転生」のアニメがこれから何期も続いてくれれば、その話が見られるのですが。
それはそうと、ヴェラが違和感あるほど露出している理由がとうとう説明されませんでした。
パウロがルーデウスを殴るきっかけにもなった格好なので一言くらいあると思っていましたが。
尺の関係上、二話で収めようと思ったらカットするしかなかったんでしょうね。
ヴェラのビキニアーマーについてのくわしい記事はこちら
まとめ:第17話の感想と解説について
今回は、第17話の感想と解説についてまとめました。
- パウロとノルンは魔力災害に遭ってアスラ王国南部の草原地帯に転移させられる
- フィットア領へ戻ったパウロはフィットア領捜索団を組織してミリス神聖国へ渡る
- ギースは再会したルーデウスと喧嘩したパウロをルーデウスの状況を説明して諭す
- パウロとルーデウスは酒場の主人の計らいもあり再度の再会をよろこび仲直りする
- 「デッドエンド」がミリシオンを出発し、ギースがベガリット大陸へ捜索に向かう
以上、「無職転生」第17話「 再会」の感想と解説でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
アニメ「無職転生」第17話はコミックス8巻に収められています。
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