アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」は、小説投稿サイト「小説家になろう」で2013年10月から5年半の間、累計ランキング1位を維持していた人気作品が原作になっています。
今回は、パックス・シーローンの正体と最後(死亡)、魔族の娘との結婚、息子のパックス・シーローン・ジュニアなどについてくわしく紹介します。
パックス・シーローンとは?

パックス・シーローンはシーローン王国の第七王子
パックス・シーローンはシーローン王国の第七王子で、低い背と短い手足と大きな頭をした人族の男性です。
外見は特徴がありますが、性格は傲慢で下劣という王族では一般的な性格です。
人形が大好きな第三王子ザノバ・シーローンの弟でもあります。

パックスの声は、福島潤(ふくしまじゅん)さんが担当しています。
福島潤さんの代表作には「この素晴らしい世界に祝福を!」のカズマ役や「理系が恋に落ちたので証明してみた。」の犬飼虎輔役などがあります。
パックスの魔術の教師は、シーローン王国で兵士に対魔術師の戦法を教えていた水王級魔術師のロキシーですが、ロキシーに対するセクハラがひどいためにしばしば火魔術でお仕置きされていました。

そのロキシーも突然家庭教師をやめて、シーローン王国から出て行っています。
パックスは幼少から王族という身分を笠に着て身勝手に振る舞っていたせいで、王宮でまともに相手してくれる人はいませんでした。
自業自得ですがそのことでパックスはずっと疎外感を感じていたようです。
パックスは奴隷市場にコネを作ったことで資金に余裕ができ、私兵を雇うようになります。
そしてその私兵を使い、王宮の兵士の家族を人質に取って自分に従わせるという非道を行っていました。
のちにパックスはこれらの悪事を兄であるザノバに暴露されて国外追放されることになります。
ザノバ・シーローンについてのくわしい記事はこちら
パックス・シーローンのプロフィール
本名:パックス・シーローン
年齢:12歳くらい(初登場時)
出身:シーローン王国ラタキア
種族:人族
身分:王族
魔術:基礎魔術のどれか中級を習得
弱点:ロキシー・ミグルディア
ロキシーについてのくわしい記事はこちら
パックスとルーデウスの関係は?

リーリャとアイシャがシーローン王国へ
ある日、シーローン王国の王宮内にあるザノバの部屋に、メイドの格好をした女性と女の子が突然あらわれました。
魔力災害(フィットア領転移事件)でアスラ王国から転移させられたリーリャとアイシャです。

王宮内に侵入してきた不審者としてリーリャは尋問されますが、ロキシーやパウロ・グレイラットの関係者だとわかって身元が確認できました。
やがてリーリャとアイシャは魔力災害の被害者だと判明しますが、パックスは理屈をこねてロキシーの関係者である二人を解放せず、王宮内に監禁して侍女として働かせました。
ロキシーに執着していたパックスは、ロキシーをシーローン王国におびき寄せるための人質として、リーリャとアイシャを利用しようと考えたのです。
リーリャとアイシャが王宮内に監禁されたまま二年半が経ちました。
魔大陸から中央大陸まで戻ってきたルーデウスが、ヒトガミから助言を受けてリーリャとアイシャを救出するためにシーローン王国へ向かいます。

しかしルーデウスはパックスの罠にはまり、王宮内で結界魔術の魔法陣に捕らわれてしまいます。
パックスがロキシーを捕らえるために作らせた王級魔術師用の魔法陣で、ルーデウスは魔術が一切使えなくなってしまいました。
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ルーデウスの弟子ザノバが大活躍
以前ザノバの親衛隊だった女性騎士ジンジャーの判断で、ルーデウスのバッグに入っていたルイジェルド人形をザノバに渡して、魔法陣に捕らわれたルーデウスと引き合わせます。

ロキシー人形とルイジェルド人形の製作者がルーデウスとわかったザノバは、即座にルーデウスの弟子入りを願い、ルーデウスを魔法陣から助け出すために驚愕の行動に出ます。

ザノバはパックスを捕まえてきて(捕まえるときにパックスの親衛隊を二人殺害しています)、ルーデウスを助けてくださいと第一王子と第二王子にお願いします(お願いというかほぼ脅迫ですが)。
シーローン王国の兵士の家族を人質に取って自分の命令に従わせてきたこと、対魔術師の戦法を教えてくれた王国に恩のあるロキシーをおびき寄せるために弟子のルーデウスを捕らえたこと(同じ理由でリーリャとアイシャを監禁していること)、おびき出したロキシーを犯して殺そうとしたことなど、パックスはこれまでの悪事をザノバに暴かれました。
ザノバの行動によりルーデウスとリーリャとアイシャは救い出されました(リーリャとアイシャはパウロとノルンがいるミリス神聖国へジンジャーが送り届けています)。

すべての悪事が国王の耳に届いたパックスは国外追放されることになり、表向きは留学という形で宗主国の王竜王国へ人質(いつ殺されても文句のない人質)に出されました。
ザノバもルーデウスを助けるときに起こした騒動の責任を取って、ラノア王国にあるラノア魔法大学へ留学することになります(のちにザノバとルーデウスはラノア魔法大学で再会します)。
王竜王国へ追放されたパックスは、のちに重要人物となってルーデウスと深く関わることになります。
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パックス・シーローンの結婚は?

パックスはベネディクトと結婚する
パックスは王竜王国の第十八王女ベネディクト・キングドラゴンと結婚します。
パックスが人質として王竜王国で肩身のせまい思いをしながら過ごしていたとき、いつも一人でいるベネディクトと知り合いました。
ベネディクトの母親は魔族で、肩書きこそ「第十八王女」ですが実際は王族とは認められておらず、ベネディクト本人の感情も薄いために、周りから「シーローンの出来損ない」と呼ばれてさげすまれていました。
ベネディクトと親しくなったパックスは、二人が一緒にいることを「シーローンの出来損ないが、王竜王国の出来損ないに近づいている」とうわさされていることを知り、見返すためにこれまでの生き方を改めます。
パックスの努力が実ってある学問の大会で好成績を残すと、国王レオナルド・キングドラゴンが人質の立場でありながら未来をあきらめないパックスの姿勢を高く評価しました。
レオナルドがパックスに褒美を聞くと、ベネディクトとの結婚を要望するので、レオナルドは厄介払いができたとばかりに受け入れます。
しかし王竜王国が「パックスがうちの王女(名ばかりだけど)を嫁さんにしたいと言ってるから、パックスに相応の地位を用意してやってよ」とシーローン王国に伝えたところ、シーローン王国は「お断りします(ふざけんな、そいつはうちから追い出したアホ王子だぞ!)」と拒否しました。
ほぼ属国のシーローン王国からまさかの拒否にレオナルドは激怒し、パックスに死神ランドルフ・マリーアンほか十人の騎士を借し与え、シーローン王国でクーデターを起こして王位を奪ってこいと命じます。

七大列強五位の死神ランドルフ率いる反乱軍は恐ろしく強く、シーローン王国の王族を皆殺しにしてクーデターを成功させ、パックスを国王に就かせます。
シーローン王国の国王になったパックスは、ベネディクトと結婚することができました。
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パックス・シーローンの最後は?

パックスの最後は自殺して死亡
パックスはクーデターを起こして王位に就きましたが、そのときの戦いで多くの兵士を失っていました。
北部にあるビスタ王国が、シーローン王国の国防力が落ちた隙を狙って軍事侵攻を計画しているという情報が入りました。
パックスは「怪力の神子」でシーローン王国最大の戦力でもあるザノバをラノア魔法大学から呼び寄せ、ビスタ王国との最前線になるカロン砦での防衛の任務を命じます。
死ぬ覚悟でシーローン王国に向かうザノバを心配して、ルーデウスとロキシーが同行しました(もちろん親衛隊のジンジャーはザノバにお供しています)。
ルーデウスとロキシーの強力な魔術師二人と「怪力の神子」ザノバの活躍のおかげで、カロン砦の戦いは圧倒的勝利を収めました。
しかしザノバたちがカロン砦にいるあいだに、今度はジェイド将軍が第十一王子ハルハ・シーローンを担ぎ上げてクーデターを起こします。
ジェイド将軍は手際よく王都を占拠して、パックスとベネディクトの住む王城を包囲しました。
ジンジャーからクーデターの報告を聞いたザノバたちはカロン砦から王都へ急いで戻ってきて、ザノバが知っている秘密の通路を使って王城の最上階にある国王の寝室に駆けつけます。
ルーデウスの早とちりのせいで寝室の扉の前で護衛をしていた死神ランドルフと戦闘になりますが(ランドルフがザノバたちを圧倒します)、誤解が解けて両者は謝罪します。
パックスとベネディクトの最後の夫婦の営みが済んだことを確認したランドルフは、ザノバたちを寝室に通してくれました。
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ザノバの説得とパックスの絶望
ザノバはパックスに王城から脱出することを勧めますが、パックスはすでにすべてをあきらめていて、パックスの説得を聞く気などありませんでした。
パックスは「何をしてもうまくいかず、どれだけ努力しても誰も認めてくれず、ちょっといい結果が出せても裏目に出る」「自分はこの国のすべてに疎(うと)まれている」と寝室についたバルコニーで叫びます。
ロキシーにも「余が初めて中級魔術を成功したとき、よろこんでくれるどころか、やっとこの程度かという表情でため息をついた」と涙をためて訴えました。
パックスは、レオナルドからシーローンの国王の座を与えてもらうが誰も自分を国王と認めず、しかもすぐに反乱を起こされて、レオナルドが貸してくれた兵士もランドルフ以外死なせてしまった、と言います。
パックスは涙を流しながら、「王竜の陛下も、さぞや余にはガッカリしただろう」と言い、「自分を認めてくれたのはベネディクトだけで、彼女だけがありのままの自分を愛してくれた」と叫びました。
ザノバは「誰でも失敗はするもの。反省して次に生かせばよいではないですか」と励ましますが、パックスは「余は生かせないさ。そういう奴だ。何度も何度も繰り返すだけだ」と返します。
これまでの人生でやることすべてがうまくいかないと悟って絶望したパックスは、ランドルフに「前に話した通りに頼む」と言い残して、王城の五階にある寝室のバルコニーから飛び降りました。
「パックスの死体がなければ反乱が収まらない、国内の混乱を収めるためにも死体は残しておくべきだ」とのザノバの意見に従って、パックスの死体は王城の寝室に残していきました。
翌日、町の広場で、パックスの死体は斬り傷をつけられて、裸のまま晒されていました。
パックスが自殺した理由は人生に絶望したせいですが、そうなるように仕向けたのはヒトガミで、パックスはヒトガミから自殺に追い込まれたともいえます。
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パックス・シーローン・ジュニアとは?

パックスとベネディクトの息子
パックス・シーローン・ジュニアは、パックス・シーローンとベネディクト・キングドラゴンの息子です。
父親に似て背が低く横幅が広い体型で、母親と同じように青い髪の色をしています。
パックスがシーローン王国で死亡したあと、妊娠していたベネディクトをランドルフが王竜王国へ連れて帰り、生まれたパックス・ジュニアに学術と剣術と料理(ランドルフの特技)を教えていました。
パックスが飛び降りる直前にランドルフに言い残した「前に話した通りに頼む」は、やがて生まれてくる子どもの世話についてのことでした。
しかし王竜王国でパックス・ジュニアの立場は良いものではなく、貴族から疎まれ続けた結果、留学という形でアスラ王国のアスラ王立学校へ送られます。
アスラ王立学校ではルーデウスとシルフィエットの息子、ジークハルト・サラディン・グレイラットと親友になります。

パックス・ジュニアは学術の成績は学年でトップでしたが、武術の成績は中の中の上といったところでした(ランドルフから北神流を学んでいたのですが才能はなかったようです)。
パックス・ジュニアはアスラ王立学校を卒業後、王竜王国から「赤竜の下顎」の南側にある密林地帯の北側、飛び地の領土の開拓を命じられます。

その場所は多くの魔物や原住民のいる危険な土地で、王竜王国はパックス・ジュニアが開拓中に命を落とせば厄介払いできる、開拓がうまくいけば領土が広がるという、どっちの結果になっても問題のない命令でした。
「自分の国を持つ」という野望を持っていたパックス・ジュニアは、王竜王国の思惑を知ったうえで、「何かのタイミングさえ合えば独立することもできるはずだ」と飛び地の領土の領主になります。
シルフィエットについてのくわしい記事はこちら
パックス・ジュニアとジークハルトが協力
ジークハルトが途中で合流して、パックス・ジュニアの絶体絶命の危機を救いました。
その後二人は協力して、開拓が不可能といわれた密林地帯を、もとは飛び地とは思えないほど大きな領土に広げました。
王位継承権を持ち、広い領土と多数の人口、そして軍隊を持つ領主となったパックス・ジュニアを脅威に感じた王竜王国の貴族や大臣たちは、パックス・ジュニアに騎士の誓いを立てさせて王位に就くことがないように謀ります。
パックス・ジュニアは新設の騎士団、黒竜騎士団の団長になり、パックス・ジュニアの領土は「騎士団領」と呼ばれるようになりました。
その後、ルーデウスとランドルフが亡くなったあと、中央大陸の三大国が三つ巴で戦争を始めます。
北部全土を掌握した鬼神帝国、古来より西部全土を支配しているアスラ王国、南部の半分ほどを手に入れて二国の動向を見守る王竜王国。
その三大国のちょうど中心にある「騎士団領」は、この騒乱にある状況が自分たちの領を独立国にする好機と捉えました。
パックス・ジュニアがジークハルトに言った「何かのタイミングさえ合えば独立することもできるはずだ」の「何かのタイミング」がこの戦争でした。
「自分の国を持つ」という野望を持っていたパックス・ジュニアは、三大国の戦争を利用して独立戦争を起こしました。
独立戦争の結果は原作に記述されてないので不明ですが、パックス・ジュニアの野望は達成されたのではないでしょうか。
アリエルについてのくわしい記事はこちら
まとめ:パックス・シーローンについて
今回は、パックス・シーローンについてまとめました。
- パックス・シーローンは低い背と短い手足と大きな頭をしたシーローン王国の第七王子
- パックスはシーローン王国を離れたロキシーをおびき出すためにルーデウスを捕らえる
- 同じ理由で、魔力災害で転移させられたリーリャとアイシャを王宮内に監禁していた
- ルーデウスに弟子入りしたザノバがパックスの悪事を暴露してルーデウスを救い出す
- 王竜王国へ追放されたパックスは第十八王女ベネディクトと知り合い結婚する
- パックスはベネディクトと結婚するためシーローン王国でクーデターを起こす
- パックスはシーローン王国の国王になるがクーデターを起こされ絶望して自殺する
- パックスの息子パックス・ジュニアはアスラ王立学校でジークハルトと親友になる
- パックス・ジュニアは飛び地領土を広げ、三大国の戦争に乗じて独立戦争を仕掛ける
以上、「無職転生◆パックスの最後は死亡?結婚とパックスジュニアについて!」でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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