アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」は、小説投稿サイト「小説家になろう」で2013年10月から5年半の間、累計ランキング1位を維持していた人気作品が原作になっています。
今回は、ゼニス・グレイラットが廃人(心神喪失)になった理由、回復の可能性、貴族のお嬢様だった過去、プロフィールなどをくわしく紹介します。
ゼニス・グレイラットとは?

ゼニス・グレイラットはルーデウスの母親
ゼニス・グレイラットはルーデウスの母親で、明るい金髪を巻き髪にしているきれいでかわいい女性です。
明朗快活で寛容で面倒見のいい性格ですが、少々親馬鹿なところもあります。
しかしルーデウスに魔術の才能があると見るやすぐに家庭教師をつけたことはすばらしい判断だったのではないでしょうか。
出身はミリス大陸にあるミリス神聖国で、上級貴族の次女として生まれました。

ゼニスの実家のラトレイア家はミリス神聖国のなかでも魔族排斥派に属する貴族ですが、ゼニスは魔族に対して差別感情がなく、家庭教師として雇った魔族のロキシーを温かく迎え入れました。

パウロとリーリャの裏切りに対して、ルーデウスの感情を優先した結果とはいえ、グレイラット家の崩壊を防ぐために寛容な態度で許しています。
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ゼニス・グレイラットのプロフィール
本名:ゼニス・グレイラット
年齢:17歳(初登場時)
出身:ミリス神聖国ミリシオン
種族:人族
身分:貴族
職業:ブエナ村診療所勤務
宗教:ミリス教
冒険者ランク:A級(治癒魔術師)
魔術:治癒・解毒魔術中級、火・水魔術初級
趣味:園芸、ジャム作り
短所:あのときの声が大き過ぎる
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ゼニス・グレイラットが廃人になった理由は?

魔力結晶の中に閉じ込められていたから
ゼニスが廃人(心神喪失状態)になった直接の理由は、転移の迷宮にある魔力結晶の中に長期間閉じ込められていたからです。
魔力結晶の中に閉じ込められていた理由と年数ははっきりしていません。
ゼニスは魔力災害(フィットア領転移事件)に遭って転移させられましたが、魔力結晶の中に直接転移したのか、転移の迷宮内に転移したあと何かあって魔力結晶の中に閉じ込められたのか、原作に記述されていないのでわかりません。
魔力結晶に閉じ込められていた期間も、2年から6年と幅があります。
魔力結晶に直接転移した場合は救出されるまでの最大6年間、迷宮内に転移したあと魔力結晶に閉じ込められた場合は少なくとも2年間、魔力結晶に閉じ込められていたことになります(ゼニスらしき人物を見たという目撃者の証言が2年前なので、証言を信用した場合で2年間です)。
ゼニスが閉じ込められている転移の迷宮は、ベガリット大陸ラパンにあります。
転移の迷宮の最下層には迷宮の守護者マナタイトヒュドラ(魔石多頭竜)がいて、ゼニスが閉じ込められている魔力結晶を守っていました。
パウロたちが文字通り命をかけてマナタイトヒュドラを倒したあと、魔力結晶が溶けて中にいたゼニスを助け出すことができました。
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魔力結晶とは?
魔力結晶とは、魔力をためておける石で、魔術の発動や魔道具の作成に使うことができます。
魔力結晶を粉状にしていくつかの材料を混ぜ合わせると、転移魔法陣用の塗料が作れます。
そのため魔力結晶はとても価値が高く、多くの冒険者たちが一攫千金を夢見て、危険を顧みず魔力結晶のある迷宮に潜っています。
ゼニスが閉じ込められていた魔力結晶は、2メートルもある緑色の水晶のような形をしたものでした。

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転移の迷宮とは?
転移の迷宮は、ベガリット大陸のラパンにある危険度Sランクの迷宮です。
ベガリット大陸はルーデウスたちの住む中央大陸の南に位置している三日月の形をした大陸です。
ラパンはベガリット大陸にいくつかある都市のうちの一つで、迷宮が多数あることから「迷宮都市」の名前で呼ばれています。

転移の迷宮の深さは全7層で、迷宮の罠はすべて転移魔法陣になっています。
転移魔法陣はわずかな時間で遠くへ移動するための魔法陣で、魔法陣に乗った人はその場から消えて瞬時に転移先に現れるという、使い方によってはすごく便利な魔道具です。
しかし転移の迷宮の場合は、転移先の多くで魔物の群れが待ち構えているというとても危険な罠になっています。
もし間違って魔法陣に乗った(罠にかかった)場合、現在位置がわからなくなり、仲間とはぐれ、一人で魔物の群れに囲まれるという危機に陥ることになります。
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マナタイトヒュドラ(魔石多頭竜)とは?
マナタイトヒュドラは、大昔に絶滅したと思われていた九本の首を持つ巨大なドラゴンです。
レッドドラゴン(赤竜)の二倍ほどもある巨大な体で、魔術を無効化する吸魔石でできたエメラルドグリーンのうろこがその巨体を覆っています。
九つある口から炎をはき、首を斬り落としてもすぐに再生するという、チート級のやっかいな能力を持っているのも特徴です。
画像はレッドドラゴンの頭部ですが、手前の人物(龍神オルステッド)と比べると恐ろしく巨大です。

マナタイトヒュドラはこのレッドドラゴンの二倍ほどのサイズということなので、いかに巨大なドラゴンかがわかるのではないでしょうか。
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ゼニスは廃人(心神喪失)状態から回復する?

ゼニスは廃人(心神喪失)状態から回復しない
以前のような表情豊かなゼニスには戻らないので、そういう意味ではゼニスは廃人(心神喪失)状態から回復しません。
しかし言葉と表情を失ったままではありますが、記憶や知識、現状を把握する能力は失われていませんでした。
それどころかゼニスは魔力結晶に閉じ込められているあいだに「人の思考を読む能力」を得ていました。
その事実はゼニスが救出されて数年後、ミリス神聖国にいる「記憶の神子(みこ)」に診てもらったことでわかるのですが、ゼニスが言葉と表情を失っていたために誰も気づけなかったようです。
ゼニスは魔力災害に遭う前の生活や自分を助けにきたパウロが亡くなったこと、ルーデウスが結婚したことや孫が生まれることなどをほぼ正しく認識していました。
ゼニスはラノア王国にあるルーデウスの家で、リーリャにお世話されながら暮らしていくうちに、食事や着替えなど一人でできることが増えていきました。
自分の娘ノルンの世話をしようとしたり、リーリャの娘アイシャと一緒に以前から趣味だった園芸を楽しんだり、ロキシーの娘ララと念話(ミグルド族の特技)で会話したり、うれしいときは一瞬ですがほほ笑んだりすることもありました。
ゼニスは他人から見ればずっと廃人(心神喪失)状態ですが、ゼニスは自分の意識の中で幸せを感じながら普通に暮らしていたのです。
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ミリス神聖国とは?
ミリス神聖国はミリス大陸南西部にある世界で二番目に大きな国(首都はミリシオン)です。

ミリス教団がミリス神聖国の政治や治安に深く関わっています。
冒険者ギルドの本部もミリス神聖国ミリシオンにあります。
白色と銀色で造られた建物が多く外見的には世界一美しい国ですが、歴史が長いため国内が腐敗していて、中身は世界で一番汚いといわれています。

人族以外の種族に対する差別が激しく、特に魔族は多くの国民から目のかたきにされています。
魔大陸からミリス大陸へ船で渡る場合、人族なら鉄銭5枚(約500円)ですが、魔族は2倍から4倍の料金が必要となり、魔族でもスペルド族なら緑鉱銭200枚(約20万円)になっています。
ちなみにミリス大陸から中央大陸へ船で渡る場合は王札100枚(約500万円)という法外な料金を請求されますが、これはもうスペルド族は中央大陸へ来るなという拒絶を表した金額のようです。
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記憶の神子(みこ)とは?
記憶の神子は、ミリス教団で保護されている「眼を合わせた相手の記憶を見る能力」を持っている女の子です。

記憶の神子の能力は、ミリス神聖国では重要人物の裁判などで嘘発見器として使われていました。
この世界には記憶の神子のほかにも10人ほどの神子がいて、「怪力の神子」であるザノバ・シーローンもそのうちの一人です。

ザノバは王族なので名前がありますが、記憶の神子には名前がなく、周囲の人たちからはただ「神子様(みこさま)」と呼ばれています。
記憶の神子は以前、森の中で暗殺者に殺されそうになったところを、ゴブリンを狩るため森へ入っていたエリスに助けられたことがありました。
記憶の神子が命の恩人であるエリスとミリス教団本部で再会したとき、記憶の神子はエリスから棒切れを渡され、毎日素振りすることを勧められます。
記憶の神子は運動不足のためにちょっとぽっちゃりしていたからですが(ルーデウスはそんな記憶の神子を「オタサーの姫」っぽいと評していました)、まじめに素振りを繰り返していた記憶の神子はその後スリムになっていきました。
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ゼニス・グレイラットの過去は?

ミリス神聖国の上級貴族のお嬢様
ゼニスはミリス神聖国の上級貴族、ラトレイア伯爵家の次女として生まれました。
学校の成績も社交界の覚えもよく、ミリス教の教えもしっかり守り、一部では「ミリス令嬢の鑑」といわれるほど両親も自慢の立派なお嬢様に育ちます。
しかしゼニスは15歳の誕生日に生まれて初めて両親に逆らい、ケンカして家を飛び出してしまいます。
家出をしたゼニスはすぐにタチの悪い冒険者パーティーに引っかかってしまい、世間知らずを利用されて相場よりずっと安い賃金で働かされていました。
もっとひどい目に遭わされそうになったところをパウロに助けられ、ゼニスはパウロがリーダーを務める冒険者パーティー「黒狼の牙」にほぼ無理やり入れられました。
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「黒狼の牙」の治癒術士
「黒狼の牙」女性メンバーのエリナリーゼが説明してくれなければ、ゼニスにはパウロもタチの悪い冒険者にしか見えませんでした。
「黒狼の牙」は中央大陸を活動拠点としている、クセの強いメンバーがそろったS級の冒険者パーティーでした。

ゼニスは中級の治癒魔術と解毒魔術を習得していたので、「黒狼の牙」では冒険者ランクA級の治癒術士として活躍しています。
ゼニスが17歳のときにパウロの子ども(ルーデウス)を身ごもったことで、パウロは「黒狼の牙」を強引に解散させて、パウロとゼニスは冒険者をやめました。
冒険者パーティーを解散するときの不手際で、パウロはエリナリーゼから蛇蝎のごとく嫌われています。
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アスラ王国の下級貴族の妻
ゼニスはフィットア領ブエナ村で村の駐在騎士(下級貴族)になったパウロと生活することになります。
ブエナ村では治癒術士の経験を生かして診療所で働いていました。
出産日が近くなるとリーリャをメイドとして雇って、長男ルーデウスを生んでいます。

23歳のときに長女ノルンを生み、同じ日の数時間後にリーリャがパウロとの子ども、アイシャを生みました(この同じ日の出産には諸事情がありました)。

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魔力災害で廃人(心神喪失)状態に
27歳のとき、魔力災害に遭ってベガリット大陸にある転移の迷宮に飛ばされ、魔力結晶の中に閉じ込められました。
33歳のときにパウロたち「黒狼の牙」元メンバーと、ルーデウス、ロキシーによってゼニスは救出されますが、ゼニスを救出するために転移の迷宮の守護者と戦う必要があり、その戦いでパウロが命を落としました。
ゼニスはラノア王国シャリーアにあるルーデウスの家で生活することになり、リーリャの介護を受けながら穏やかに暮らしていました。
39歳のとき、ゼニスが救出されたことを知った母親のクレア・ラトレイアから手紙が届き、ミリス神聖国に呼びつけられます。

ゼニスはルーデウスとアイシャと三人でミリス神聖国へ行きますが、クレア(の手の者)によってゼニスが誘拐されます。
クレアはゼニスの心神喪失をおぞましい方法で治療しようと考えていましたが、記憶の神子の協力とゼニスの行動で大問題にならずに解決しました。
その後、記憶の神子はゼニスを見て、ゼニスが記憶や知識、現状を把握する能力を失っていないこと、「人の思考を読む能力」を得ていること(ゼニスが「神子」になっていること)をルーデウスに伝えます。
ゼニスはラノア王国シャリーアに戻ったあとは69歳で息を引き取るまで、ルーデウスの家族に囲まれながら幸せに暮らしました。
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まとめ:ゼニス・グレイラットについて
今回は、ゼニス・グレイラットについてまとめました。
- ゼニスが廃人になった理由は魔力結晶の中に閉じ込められていたから
- ゼニスは廃人(心神喪失)状態から以前のようなゼニスには回復しない
- 言葉と表情を失っているが記憶や知識、現状を把握する能力は失われていない
- ゼニスは魔力結晶に閉じ込められているあいだに「人の思考を読む能力」を得ていた
- ゼニスはミリス神聖国上級貴族ラトレイア家の次女として生まれる
- 15歳で家を出て冒険者パーティー「黒狼の牙」のメンバーになる
- 17歳で長男ルーデウスを妊娠し冒険者を辞めてパウロとアスラ王国で暮らす
- 27歳のとき魔力災害に遭いベガリット大陸の迷宮内の魔力結晶に閉じ込められる
- 33歳のとき魔力結晶から救出されるがその際に夫パウロを失う
- ゼニスは長男ルーデウスの家で家族に見守られながら69歳で息を引き取る
以上、「無職転生◆ゼニスが廃人になった理由は?回復の可能性と過去について!」でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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