アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」第10話のあらすじと感想をまとめています。
感想には独断と偏見と原作をもとにした解説と、軽いネタバレが含まれていることをご了承ください。
第9話「邂逅」おさらい
- ルーデウスはヒトガミから魔力災害に遭ったことを知らされて助言を受ける
- スペルド族のルイジェルドに助けられ、一緒にアスラ王国へ帰還することになる
- ルーデウスたちは途中立ち寄ったミグルド族の里で、ロキシーの両親と出会う
- ルーデウスはスペルド族の名誉を回復するというルイジェルドの目的を知る
- ルーデウスたちはロキシーの両親から一振りの剣といくらかの路銀を受け取る
第10話「人の命と初仕事」感想と解説

第10話「人の命と初仕事」あらすじ
ルーデウスたちはミグルド族の村を離れ、リカリスの町へと向かう。
町の検問で、ルイジェルドが“デッドエンド”として恐れられていることを実感したルーデウスは、スペルド族汚名返上の作戦を思いつく。
引用元:dアニメストア
アニメ「無職転生」第10話はライトノベル3巻に収められています。
冒険者に憧れていたエリス
エリスはロインからもらった剣で、狼のような魔物を一人で狩り尽くす。
ルーデウスとルイジェルドは、エリスの豪快な狩りをただ見守る。
狩った魔物の肉を焚き火で焼いて食べ、「こういうのね! 憧れたのよ!」と大満足するエリス。

ルーデウスは動いている芋虫を噛みちぎりながら、「米と牛肉が食べたい・・・」とぼやく。
「無職転生」の第10話はエリス無双から始まりました。
エリスがバッタバッタと狩りまくっている魔物はパクスコヨーテで、数十匹の群れで行動するなかなかやっかいな魔物です。
大抵の冒険者はパクスコヨーテの群れと遭遇するのをきらいますが、エリスには格好の剣の試し斬り相手だったようです。
そのパクスコヨーテの肉をエリスは美味しそうに食べていますが、実は決して美味しいことはなく、ギレーヌから冒険者時代の話を聞いて魔物の肉を焼いて食べることに憧れていたので、憧れが実現して満足しているだけでした。
貴族のお嬢様であるエリスは舌が肥えていそうなものですが、ほとんどの人がまずいと評するパクスコヨーテの肉やルーデウスが生臭いと感じるグレートトータスの肉も、特に不満なく食べていました。
乱暴すぎて淑女には向かないエリスをフィリップは冒険者にさせようと考えていましたが、エリスは生まれつき冒険者向きの女性だったのかもしれません。
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デッドエンド=ルイジェルド
魔大陸を移動してきた三人はリカリスの町に着いた。
デッドエンドの目撃情報があったということで、リカリスの町の出入り口では検問が行われていた。

「出会えば死ぬ」という意味のデッドエンドとは、ルイジェルドのことだった。
ルーデウスはデッドエンドが魔族の間で恐れられていることを知る。
三人で検問を通過するために、ルーデウスはルイジェルドの髪の色を岩絵具で青く染めた。
リカリスは巨大なクレーターの中にできた町なので、外側からは岩の壁がそびえ立っているだけにしか見えません。
リカリスはラプラス戦役の時代にキシリカ・キシリスが本拠地にしていた場所です。
岩の壁は天然の城壁となっていて、戦争中は敵軍の侵入を何度も防ぎ、現在は魔物の侵入を防ぐのに役立っています。
しかし検問所はザルでした。
人族の子どもが二人も魔大陸の奥深くにいるほうが、変装したルイジェルドよりよっぽど違和感があると思うのですが。
デッドエンドだけを警戒しているとしても、スペルド族のトレードマークである額に赤い宝石を持つ青年を素通りさせたのはなおさらまずいのではないでしょうか。
原作では、ルーデウスが土魔術で作ったフルフェイスのかぶとをルイジェルドがかぶって検問所を通過しているので、検問所の対応に違和感はなかったんですけどね。
原作といえば、ミグルド族の里からリカリスの町まで原作では三日間かかっていますが、アニメではほぼカットされています。
数秒でもいいので途中の様子を描いて、魔大陸の旅の過酷さを表現してほしかったなと思います。
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リカリスの町の冒険者ギルド
リカリスの町は大勢の魔族でにぎわっていた。
ルーデウスはエリスに猫耳フードのローブを買い与える。

ロインからもらった財布の中身が心細くなってきたので、お金を稼ぐために三人は冒険者ギルドを目指した。
威勢よく冒険者ギルドに入ってくるルーデウスとエリス。
前髪を上げ右目に眼帯をして変装したルーデウスが、冒険者たちを無闇に挑発する。
冒険者たちの注目を集めたところで、「デッドエンドのルイジェルド様だ!」とルイジェルドを紹介した。
冒険者ギルドにいた荒くれ者たちは、青い髪のルイジェルドを見て爆笑する。
ルーデウスは大笑いしている冒険者たちを見て、作戦は成功だとばかりにルイジェルドに親指を立てる。

冒険者カードの登録手続きをするルーデウスに、乳房が三つある受付の女性が「パーティーの名前は本当にデッドエンドでいいの?」と確認する。
冒険者カードを受け取った三人はさっそく依頼を探すが、討伐系はCランクからしか受けられなかった。
そこへ馬面の冒険者が寄ってきて、迷子の子猫探しの依頼を勧め、ルイジェルドの額の目を使えば迷子の子猫くらいすぐに見つけられるんじゃないのか?とからかう。

冒険者ギルドを出ると夕刻になっていた。
日が落ちるにつれてキシリス城が青い光に照らし出されていく。
幻想的で美しい光景に、エリスは「すごいわ!こんなの初めて見た!」とはしゃぐ。

ルーデウスは冒険者ギルドで行った作戦が成功したとよろこぶ。
しかしルイジェルドは納得していない様子だった。
リカリスの町の中心にそびえ立っている存在感のある建物はキシリス城です。
先の戦争中に半壊したそうですが、近代的で立派な城に見えますね。
ルーデウスはエリスの目立つ赤い髪を隠すためにフード付きローブを買いましたが、どうやら獣族用のフードだったようで、耳用の袋が付いていました。
ルーデウスはルイジェルドを目立たせるために、エリスの赤い髪など目立つ存在を周りから排除しておこうと考えたのです。
冒険者ギルドではルーデウスがだいぶ悪ノリしていましたが、エリスは魔神語がわからないので基本的にノーリアクションです。
もし魔神語が理解できていたらすぐに冒険者たちと喧嘩になって、ルーデウスの作戦は台無しになったでしょうね。
ルーデウスが肩に着けていたトゲ付きの防具は、ルーデウスが土魔術で自作した物ではないでしょうか。
ルーデウスに絡んできた馬面の魔族はノコパラといいます。
ノコパラの声は、斎藤寛仁(さいとうひろのり)さんが担当しています。
斎藤寛仁さんの代表作には「抱かれたい男1位に脅されています」の沖大輔役や「ましろのおと」の関根役などがあります。
ノコパラはリカリスの町の冒険者ギルドではベテランで、冒険者になりたての頃のロキシーとパーティーを組んでいたことがあります。
パーティー名は「リカリス愚連隊」で、冒険者ギルドにいたブレイズ(下牙の長い猪みたいな魔族)も仲間でした。
ルーデウスたちが冒険者ギルドを出たときに先輩冒険者たちが「またなー!ニュービー!」と囃(はや)していましたが、「ニュービー」は「初心者」や「新参者」を意味するスラングで、不慣れな新入りを小馬鹿にして呼ぶときに使う言葉です。
日が落ちて暗くなったらきれいな青い光がキシリス城を照らしていましたが、あれは岩の壁の内側に埋め込まれた魔照石が放っている光です。
魔照石は魔石の一種で、昼間に日光を蓄えて夜間に光を放出するという特徴があります。
エリスがこんなの初めて見たとはしゃいでいましたが、魔照石は貴重な魔石だそうで、アスラ王国付近では採掘できない魔石かもしれません。
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ヒトガミの新たな助言
宿屋でルーデウスが宿泊手続きを取っているあいだに、エリスと「トクラブ村愚連隊」がトラブルを起こす。
ルーデウスがエリスに怪我をさせられたクルトに治癒魔術をかけ、エリスは魔神語が話せないんだと謝罪した。

ルーデウスが部屋のベッドに寝転んで、旅を続けていくために必要な費用のことを考えていたら、いつの間にか眠っていた。
前世の男性がまた白い空間にいた。
ヒトガミが現れ、次の助言を与えるという。

前世の男性はこの体の感覚が嫌だから、助言するなら早く済ませてくれと急かす。
ヒトガミは前世の男性にウザ絡みしながら助言する。
「ルーデウスよ、先ほどの子猫探しの依頼を受けなさい。さすれば、あなたの不安は解消されるでしょう」
ルーデウスは夜中に目を覚ますと、「子猫探しじゃ金にならんだろう」と考えた。
エリスも起きていることに気づいてルーデウスが横に座る。
エリスは「私たち、帰れるのかな?」「ギレーヌもおじい様も大丈夫よね」と不安を口にする。

ルーデウスは「帰れますよ」「きっと、大丈夫です」と言ってエリスを安心させた。
暴力系お嬢様、魔大陸で復活!という感じでしたね。
トクラブ村出身のクルトはナンパに不慣れだったようで、ガン無視する相手を深追いしてしまいました。
ナンパの心得として相手にされなかったらすぐに目標を変更しなければいけないのに、無視されて怒ってエリスの体をつかんでしまいます。
これではナンパして無視されて「気取ってんじゃねぇよ、ブスが」と悪態をつく最低のナンパ野郎レベルの所業ではありませんか。
露天で買った安物のローブですからボタンの縫い付けも甘く、ちょっと引っ張られたらちぎれてしまいました。
結果クルトはナンパした相手が悪かったせいもあり、治癒魔術が必要なくらいボコボコにされてしまいました。
しかしエリスは強がっていてもやはり不安なようで、夜中眠れずに起きていました。
まだ12歳の女の子ですから無理もありませんよね。
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ルイジェルドの額の目
翌日、ルーデウスはヒトガミの助言通りに子猫探しの依頼を受ける。
ルイジェルドの額の目はルーデウスが思っていた以上に優秀で、難なく子猫の居場所を特定した。
獣臭が充満する洞窟に入っていくと、依頼の子猫(クロヒョウ)の他にも大型の肉食動物が檻の中に閉じ込められていた。
そこへこの動物たちを檻に閉じ込めていると思われる三人の魔族が洞窟に入ってきた。
ルーデウスが土魔術で魔族三人の足元を沈め、身動きが取れなくなったところをエリスとルイジェルドが洞窟の壁に叩きつける。
ルーデウスはすぐに土魔術で三人の体を拘束して逃げられないようした。
三人の連携が取れた動きに、エリスは「なんか私たち今、仲間っぽかったわね!」とよろこぶ。

ルーデウスが「いくつか聞きたいことがあります」といいながら昆虫面の魔族に近づく。
いきなり腹部に強烈な蹴りをくらったルーデウスは後方に激しく蹴り飛ばされ、柵にぶつかって止まった。
本当に頭の悪いやつだな、相手を怒らせたらどうなるかとか考えないんだろうか、と後頭部をさすりながら思うルーデウスの足元に、昆虫面の魔族の頭が転がってきた。

ルーデウスが呆然としながら「なんで、殺した」とつぶやくと、ルイジェルドは当然のように「子どもを傷つけたからだ」という。
「殺しちゃだめだ」というルーデウスに、ルイジェルドは「なぜだ?悪人だぞ」と反論した。
額の目の性能とラプラス戦役時代に斥候として鍛えた経験があったおかげで、ルイジェルドはあっさりと子猫(というには大きすぎるクロヒョウ)を見つけ出しました。
原作によると、子猫の名前はミーちゃんといいます。
しかし洞窟の中にいる生き物の種類や数を外から把握できるレーダーを持っていたら、そりゃあ戦争では役に立ったでしょうね。
魔族三人の足元を沈めた魔術はルーデウス得意の「泥沼」で、土魔術と水魔術の混合魔術です。
詠唱なしで混合魔術をすばやく出せる魔術師はルーデウスくらいで、のちにルーデウスの二つ名としても「泥沼」は有名になっていきます。
魔族たちを拘束した魔術は、土魔術の「アースカフス」です。
ルーデウスはロウマン(昆虫面の魔族)の足も「アースカフス」で拘束しておけばよかったのに。
そうすればルーデウスがロウマンに蹴り飛ばされることもなく、ルイジェルドがロウマンの首をはねることもなく、ルーデウスとルイジェルドのあいだで不要な確執を生む事態にもならなかったんですけどね。
トカゲ面の魔族はジャリル、ハチみたいな女性の魔族はヴェスケルといいます。
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二人の倫理観の違い
ルーデウスは、ルイジェルドが人を殺すとスペルド族の悪名が広がるから殺してはだめだと説明する。
しかしルイジェルドは「悪人でもか?」と引き下がらない。
「誰を殺したかではありません。誰が殺したかです」と言うルーデウスに、ルイジェルドは「わからんな」とそっぽを向いた。
ルーデウスはルイジェルドとの倫理観の違いに愕然とするが、「とにかく、もう殺さないでください。スペルド族のことを思うなら、誰も。僕もルイジェルドさんを怖がりたくありません」となんとか伝える。

スペルド族という言葉を聞いて命乞いを始めたジャリルに、ルーデウスは動物たちが檻に閉じ込められている理由を尋ねる。
自分たちがペットをさらってきて、捜索願いが出たペットを捜し出したふりをして稼いでいた、とジャリルとヴェスケルは答えた。
やはり悪党か、と二人を殺そうとするルイジェルドの前に立ちはだかるルーデウス。
命を助ける条件としてルーデウスたちと手を組むことをジャリルたちに持ちかける。
悪党と手を組むとはどういうつもりだと詰め寄るルイジェルドに、ルーデウスはいい案があると答える。

強硬に反対するルイジェルドに、エリスは暴力を交えながら強い言葉を使ってルーデウスをかばう。
エリスにひどい言葉を叩きつけられたルイジェルドは、「俺はスペルドの戦士だ。一度決めたことは覆さぬ。必ずおまえたちを故郷に連れていく」と自身に言い聞かせるように言う。
この場面は息苦しい思いをしながら見ていました。
この世界の人たちの倫理観と現代日本人のそれとはだいぶ違いがあり、前世の記憶を持つルーデウスはその違いに困惑します。
エリスはロウマンの首をはねたルイジェルドを見て驚くことも怯えることもなく、いつもの様子でいましたからね。
子どもを蹴った、ペットをさらった、が人の命を奪う十分な理由になるルイジェルドをルーデウスが恐ろしく思うのはよくわかります。
ルイジェルドの正義は白黒がはっきりしていてグレーゾーンがないので、小悪党も悪党に分類されるのでしょう。
結局ルーデウスは理屈でルイジェルドを説得することができず、「ルイジェルドを怖がりたくないから」とルイジェルドの感情に訴えて人の命を簡単に奪うことを止めさせました。
そんな「悪党は好かん」というルイジェルドに、「あんただって昔は悪いことしてたんじゃないの!?」と火の玉ストレートをぶつけてたじろがせるエリスがやはり最強です。
しかしエリスのパンチやキックをくらってもビクともしないルイジェルドの身体はさすがに強靭です。
まあ人族の女の子の攻撃で傷を負うほどひ弱だったら、魔神ラプラスの親衛隊長が務まるわけなんかありませんからね。
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依頼の交換とノコパラ
冒険者としての初めての仕事、子猫探しの依頼を完了させたデッドエンド。
ルーデウスはやっと稼いだわずかな金額を見つめる。
冒険者ギルドから出てきたジャリルが、ルーデウスの指示通りにパーティーのランクをCランクに上げてきたと言う。
ルーデウスはジャリルとヴェスケルに明日Bランクの討伐系依頼を受けてきてくださいと指示し、僕たちはFランクの依頼を受けると伝える。

ルーデウスの考えたいい案とは、依頼の交換だった。
そして依頼をこなしたらデッドエンドの素行の良さを広めてくれと指示する。
ジャリルたちが仕方なく了解したところに、冒険者ギルドから馬面の魔族が出てきた。
ノコパラと呼ばれた馬面の魔族は、デッドエンドとピーハンター(ジャリルたちのパーティー)が何を話し込んでいたのかと訝しむ。
ジャリルが適当にごまかすと、ノコパラは悪態をついて笑いながら去っていった。

ルーデウスが自分たちのパーティーのランクを上げることとお金を貯めること、そしてデッドエンドの評判をよくすることを考えて、出した案が依頼の交換でした。
依頼の交換は冒険者ギルドに規約で禁止行為になっています。
ジャリルたちは命を助けてもらう条件に手を組むことになったので、規約違反ですが断れません。
ノコパラはルーデウスたちが何かを企んでいることを薄々感じているようで、ルーデウスは警戒感を露にしていました。
ノコパラと何らかのトラブルが起きそうな不穏な雰囲気で終わりましたね。
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まとめ:第10話の感想と解説について
今回は、第10話の感想と解説についてまとめました。
- ルーデウスたちはリカリスの町に着くと、さっそく冒険者ギルドへ向かう
- 冒険者ギルドで変装したルイジェルドを紹介してスペルド族の名誉回復を企む
- ルーデウスの夢にヒトガミが現れ、子猫探しの依頼を受けなさいと助言する
- ルーデウスはデッドエンドの初仕事でルイジェルドとの価値観の違いを痛感する
- デッドエンドはピーハンターと手を組んで、依頼の交換という違反行為を行う
「無職転生」にも冒険者ギルドがやっと出てきてましたね。
しかし冒険者ギルドの受付のお姉さんにはボインな人が多いのはなぜなんでしょうか。
リカリスの町のお姉さんなんか大きいの三つもあるし。
異世界系アニメにありがちな冒険者カードを作るとき、ルーデウスの魔力量におったまげー!のベタな展開がなくて安心しました。
以上、「無職転生」第10話「人の命と初仕事」の感想と解説でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
アニメ「無職転生」第10話はコミックス5巻に収められています。
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