アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」第9話のあらすじと感想をまとめています。
感想には独断と偏見と原作を基にした解説と、軽いネタバレが含まれていることをご了承ください。
第8話「ターニングポイント1」おさらい
- ルーデウスの10歳の誕生パーティーをエリスがサプライズで企画する
- ルーデウスはボレアス家から誕生日プレゼントとして超高価な杖をもらう
- エリスからの誕生日プレゼントはちょっとエッチなこと(しかしもらい損ねる)
- アスラ王国フィットア領上空に集まった大きな魔力に世界中の強者たちが注目する
- ルーデウスたちは上空から降ってきた謎の光に巻き込まれて消えてしまう
第9話「邂逅」感想と解説

第9話「邂逅」あらすじ
謎の光に包まれたルーデウスの前に、神を自称する存在“ヒトガミ”が姿を見せる。
ヒトガミとの邂逅を終え、次にルーデウスが目覚めると、そこは魔大陸の荒野だった。
さらにそこにはひとりの男の姿が。
その男は、かつてロキシーから「絶対に近づかないように」と教えられたスペルド族の特徴である緑色の髪と額に宝石のような石が付いていて・・・!
引用元:dアニメストア
アニメ「無職転生」第9話はライトノベル3巻に収められています。
前世の男性とヒトガミの助言
霧のようなものが漂う真っ白な空間に、前世の男性が裸で座っている。

そこに自称神様、ヒトガミを名乗る軽薄な感じの存在が現れた。

ヒトガミはルーデウスの人生をずっと見ていたといい、味方だから助言させてくれという。
前世の男性は当初ヒトガミをうさんくさいと拒絶するが、このままでは死ぬと脅され、現在の状況を聞かされたことで助言を聞き入れることにする。
ヒトガミによると、ルーデウスたちは大規模な魔力災害に巻き込まれて、魔大陸に転移したという。
「目が覚めたら近くに男がいるでしょう。その男を頼るのです。そして彼を助けるのです」
「無職転生」第9話は小太りのおっさんのサービスショットから始まりました。
前世の男性は自分は謎の光に巻き込まれて死んだんだと思いますが、まあ無理はないですよね。
謎の光は魔力災害だとわかりました。
魔力災害はのちに詳しく説明されると思いますが、ある人物が召喚されたことが原因で起きています。
しかし召喚は誰かが故意に行ったものではなく自然発生したものなので、地球でいう地震や台風のような自然災害が起きたと考えていいようです。
ヒトガミの声は、くじらさんが担当しています。
くじらさんの代表作には「NARUTO ナルト」の大蛇丸役や「ゴールデンカムイ」の山田フミエ役などがあります。
ずいぶんと軽い感じの神様が現れたものですが、実はああ見えて(白くてよく見えませんが)、ヒトガミは「太古の七神」のうちの一柱です。
「太古の七神」とは、太古の神の時代に「六面世界」を支配した七柱の神のことです。
作中でヒトガミが「この六面世界以外の場所には僕だって送り返せないよ」といっていましたが、現在「六面世界」で残っているのは、ルーデウスたちが住む「人の世界」だけです。
「人の世界」以外の五つの世界、「魔の世界」「龍の世界」「獣の世界」「海の世界」「天の世界」は、ヒトガミが太古の時代に滅ぼしました。
五つの世界が滅ぼされるとき、それぞれの世界の住人が「人の世界」に難民としてやってきたことで、「人の世界」に多くの種族が混在しているのです。
ヒトガミは未来を見る力を持っていて、これからも度々ルーデウスの夢の中に現れて「お告げ」を授けることになります。
ヒトガミについてのくわしい記事はこちら
ルイジェルド・スペルディア登場
ヒトガミの助言が終わると同時に、ルーデウスは目を覚ました。
自分の体を確認し、夢で見た前世の体ではないことに安堵する。
エリスも無事だと知ると、ルーデウスはギレーヌを探して周囲を見回した。
焚き火の向こうに座る男性に気づくが、その男性がスペルド族だということにも気づく。

ルーデウスは警戒しながらも挨拶すると、男性がルーデウスとエリスを助けてくれたことがわかった。
警戒を解いてルーデウスが名乗ると、男性はルイジェルド・スペルディアと名乗った。
ルイジェルドはルーデウスたちを必ず故郷まで送り届けてやると約束する。
そのとき目を覚ましたエリスはルイジェルドを見て、激しく怯えて泣き出した。

ルーデウスはエリスに「話が通じればみんな友達になれるんですよ」と諭し、二人を友達にさせる。
仲良く話をしている二人を見ながら、ルーデウスは「エリスをアスラ王国まで送り届けなければ」と決意する。
世界中の人たちから恐れられているスペルド族が登場しましたね。
ルイジェルドの声は、浪川大輔(なみかわだいすけ)さんが担当しています。
浪川大輔さんの代表作には、「ルパン三世」の石川五ェ門役や「HUNTER×HUNTER」のヒソカ=モロウ役などがあります。
親が子どもをしつけるときに「スペルド族がきて食べられてしまうぞ」と脅すのがこの世界では定番になっていますが、エリスがあんなに取り乱して怯えたのは、スペルド族に呪いがかけられているせいでもあります。
ルーデウスは異世界からの転生者なのでスペルド族の呪いは効かず、ロキシーからの忠告で最初は怖がりましたが、ルイジェルドの様子を見てすぐに冷静に対応することができたのです。
ラプラス戦役が終わってから四百年以上ずっと怖がられ続けてきたルイジェルドは、自分を怖がらないルーデウスに出会って、内心すごくうれしかったのではないでしょうか。
ルイジェルドはイケメンの好青年に見えますが、年齢は566歳です。
スペルド族の寿命が1000歳から2000歳なので、それでも若い世代に属するようですが。
ルーデウスとエリスが魔力災害で飛ばされた場所は、魔大陸の北東部ビエゴヤ地方だとわかりました。
ビエゴヤ地方は世界地図の右上、リカリスの町付近です。
ルーデウスたちの故郷アスラ王国は地図の左上なので、ほぼ世界の反対側に転移したことになります。


魔大陸のビエゴヤ地方と中央大陸のアスラ王国は、原作ではラスベガスとパリくらいの距離があると表現されていて、調べてみたら直線距離で8749キロメートルありました。
海があるので直線距離でいけるはずもなく、ミリス大陸を経由するので実際はそれ以上の距離になります。
ルーデウスとエリスは並の子ども以上の能力を持っていますが、やはり子ども二人だけでアスラ王国まで帰るのは困難でしょうね。
ルーデウスはヒトガミの助言に従うことになりますが、それ以上にルイジェルドが信用できそうな人物だと感じたので、ルイジェルドを頼ることにしたようです。
エリスについてのくわしい記事はこちら
過酷な魔大陸とミグルド族の里
夜が明け、ルーデウスとエリスとルイジェルド、三人の旅が始まった。
暑く乾燥した気候と岩だらけの険しい地形、強い魔物が多数生息する魔大陸の苛酷な環境の中を進む三人。

ルーデウスとエリスが魔物を狩る手伝いをするというが、ルイジェルドは「子どもは余計な心配をするな」と一喝する。
三人はミグルド族の里にたどり着いた。

しかしロインと呼ばれた里の若者が、ルーデウスとエリスは怪しいから里には入れられないという。

ルイジェルドが威圧気味に交渉した結果、長(おさ)のロックスが里の入り口まで出向いてくれた。

ルーデウスが魔神語で挨拶すると、ロックスはルーデウスの首飾りを気に留める。
ルーデウスが師匠のロキシーにもらったと答えると、ロインはひどく動揺した様子で「俺の娘の名だ!」と叫んだ。
ミグルド族の里はロキシーの故郷で、ロインはロキシーの父親だった。
魔大陸の壮大なスケール感と、いかにも過酷そうな環境を表現した作画がすばらしいですね。
ロキシーの故郷、ミグルド族の里が登場しました。
ミグルド族は小柄な体格と青い髪が特徴で、ミグルド族同士は念話(テレパシーみたいなもの)で会話することができます。
ロキシーの外見はミグルド族の特徴そのままですが、実はロキシーは念話ができません。
そのせいでロキシーはミグルド族の里で疎外感を感じ、いろいろあって家を出てしまいました。
それでロイン父さんは、ルーデウスからロキシーの名前を聞いてすごく驚いていたのです。
ロインの声は、小林裕介(こばやしゆうすけ)さんが担当しています。
小林裕介さんの代表作には「Re:ゼロから始める異世界生活」のナツキ・スバル役や「Dr.STONE」の石神千空役などがあります。
ロックスの声は、加藤将之(かとうまさゆき)さんが担当しています。
加藤将之さんの代表作には「オーバーロード」のデミウルゴス役や「デッドマン・ワンダーランド」の千地清正役などがあります。
ロキシーからもらった首飾りと勉強していた魔神語が役に立ってよかったですね。
ロキシーについてのくわしい記事はこちら
ラプラスの陰謀とルイジェルドの目的
ミグルド族の里に入れてもらえたエリスは、里内の珍しいものに興味津々だった。
ロインがルーデウスにロキシーの近況を確認し、元気ならそれでよかったと安心する。
ルーデウスたち三人は、里の最奥のロックスの家で世話になる。

周りを皆殺しにしても二人を守り故郷に届けると言い張るルイジェルドに、そんな強引なやり方でおぬしの目的を達成できるのか?と問うロックス。
ルーデウスがルイジェルドの目的とは何か?と尋ねると、ルイジェルドにはスペルド族の悪評を取り除きたいという目的があるとロックスが答えた。
ルーデウスが「スペルド族が戦争で敵味方区別なく襲ったというのは本当のことなんですよね?」と聞くと、ルイジェルドは恐ろしい形相で「違う!事実ではない!あれはラプラスの陰謀だ!」と強く否定した。

ルーデウスはルイジェルドから400年前のラプラス戦役の裏の話を聞いた。
そしてルイジェルドは、ラプラスの陰謀のせいで未だ世界中から忌み嫌われているスペルド族の悪評を、スペルド族の戦士のおさとして戦った俺が覆さなければならない、と言い切る。
ルーデウスはルイジェルドの境遇と心情を思い、「人族の子どもの俺が手伝えば変化があるかもしれません。お手伝いします。約束しましょう。できる限りのことはすると」と約束した。
ミグルド族の里の家は、グレートトータス(大王陸亀)という亀の魔物の甲羅を使っています。
ルイジェルドが旅の途中で仕留めていた魔物もグレートトータスでしたね。
グレートトータスの甲羅の大きさは平均で8メートル前後、最大で20メートルということです。
里の一番奥にあるおさの家は周りの家より大きく見えましたが、あの場所まで大物のグレートトータスの甲羅を運ぶのはさぞや大変だったことでしょう。
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ロキシーの両親ロインとロカリー
翌朝、ミグルド族の里を出発する三人をロインと妻のロカリーが見送る。

ロインとロカリーは、ロキシーの無事を知らせてくれたお礼だといって、一振りの幅広の剣と少額のお金をルーデウスに渡した。
エリスがロキシーの両親に貴族式の丁寧なお礼をすると、二人は笑顔で「どういたしまして」と返した。
言葉はわからないけれど気持ちは通じたことがわかってエリスも笑顔になる。
ルーデウスは先を歩くルイジェルドのうしろ姿を見つめながら、ルイジェルドを助ける約束をしたこと、ルイジェルドを信じると決めたこと、を思い出していた。
ルーデウスがルイジェルドに走って追いつき、「ルイジェルドさん、これからもよろしくお願いします」と改めていうと、ルイジェルドはうれしそうに「ああ」とだけ返した。

ロキシーのお母さん、見た目は10代のかわいい女の子ですが102歳でした。
僕の住む市なら、彼女の誕生日には金一封が贈呈されるご年齢です。
ロカリーの声は、佐藤聡美(さとうさとみ)さんが担当しています。
佐藤聡美さんの代表作には「ご注文はうさぎですか?」の宇治松千夜役や「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の田村麻奈実役などがあります。
ロインとロカリーがお礼にくれた幅広の剣は、銘は入っていませんが「魔界の名工」ユリアン・ハリスコの業物(わざもの)です。
ユリアンは武器鍛冶師の間では最も有名な魔族の鍛冶師です。
昔ユリアンがミグルド族の里を訪れたことがあって、そのときにロインがもらった剣でした。
ユリアンの剣は当分の間、エリスの愛剣になります。
お金は原作では「宿に2、3日泊まれる程度」の金額をもらっています。
魔大陸の貨幣価値はアスラ王国よりはるかに低く、アスラ王国で最も高額な貨幣はアスラ金貨(日本円で10万円ほど)ですが、魔大陸でのそれは緑鉱銭(日本円で千円ほど)となっています。
ルーデウスはのちにミグルド族の里を再度訪れ、借りたお金(以上の額)を返すことになります。
ルーデウスについてのくわしい記事はこちら
まとめ:第9話の感想と解説について
今回は、第9話の感想と解説についてまとめました。
- ルーデウスはヒトガミから魔力災害に遭ったことを知らされて助言を受ける
- スペルド族のルイジェルドに助けられ、一緒にアスラ王国へ帰還することになる
- ルーデウスたちは途中立ち寄ったミグルド族の里で、ロキシーの両親と出会う
- スペルド族の名誉を回復するというルイジェルドの目的を知ることになる
- ルーデウスたちはロキシーの両親から一振りの剣といくらかの路銀を受け取る
タイトルの「邂逅」通り、ルーデウスはヒトガミとルイジェルドに思いがけなく出会いました。
ロキシーの両親とも思わず出会うことができましたしね。
ルーデウスとエリスとルイジェルド、三人のこれからの旅を楽しみにしたいと思います。
以上、「無職転生」第9話「邂逅」の感想と解説でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
アニメ「無職転生」第9話はコミックス4巻に収められています。
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